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Aside
『永遠の愛ってなんだろうね』親友から問いかけられた突然の疑問に私はこう答えていた
永遠の愛とは消えることのない愛情で無条件に誰かに愛を伝えることだよ、と
そこそこの大学に入学してそこそこの企業に就職したただの23歳女、一つ自慢できることがあるならもうすぐ付き合って8年の彼氏がいること
あ「今日遅くなるから、先ご飯食べててね」
陽太「わかった、頑張ってね」
あ「ん、ありがとう」
行ってらっしゃい、と手を振る彼は明日で付き合って8年迎える陽太、薬指に付けた婚約指輪は会社へと向かう途中キラリと光る
有難いことに23歳で実力も認められ大きなプロジェクトのリーダーを任されることになったけれどそれでも到底先輩達の足元には及ばなかった
凜華「成瀬さん、この資料もお願いしていい?」
あ「あ、はい」
凜華「この前お願いした資料はできてんの?」
あ「あ、すいません、まだです」
凜華「はぁ、若くしてリーダー任されたからって他の仕事を疎かにしていい理由にはならないわよ」
あ「すいません、すぐやります」
早くしてね、と私の机にまた資料を置いて休憩に入ったのは仕事ができて自分の気に入った人には優しい先輩の鮫島凜華さん
私は入社してからすぐに凜華さんのアシスタントとして働くことになった、最初は優しく丁寧に教えてくれるいい先輩だなと思っていた
鹿島「今回のプロジェクトのリーダーは成瀬さんにお願いしたいと思います」
あ「私ですか?」
鹿島「成瀬さんは仕事も丁寧だし人柄もいいので適任だと思います」
社内でも噂になっていた大きなプロジェクト、それを私が任されたことが気に食わなかったのか鮫島さんの当たりは強くなった
鮫島「あなた自身のプロジェクトの資料はできてるのよね?」
あ「え、あ、まだです」
鮫島「は?これだけ時間があったのにできてないって呆れるわ」
あ「…すいません」
休憩もろくにせず鮫島さんに言われた仕事を片付けて自分のプロジェクトの資料はカバンに突っ込んで22時に会社を上がる
〈今から帰るね〉そう連絡をするも既読が付かない、この時の私はお風呂にでも入ってるのかなくらいにしか思っていなかった
あ「ただいまー、陽太?いないの?」
そう声をかけるもリビングから漏れる光も陽太の声も聞こえない、少しだけ嫌な胸騒ぎがしてきて私は寝室へ足を進めた
すると奥の寝室から漏れる光と女と男の感じあって求め合う声、恐る恐る静かに戸を開けると中には陽太と知らない女の姿があった
私はパニックで涙を零しながら戸を閉めた、莉音?と少し掠れた声が聞こえた気がしたが私は構わず降り続ける雨の中家を飛びだした
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作者名:ゆっぴー | 作成日時:2023年12月10日 21時