大好きなあなたへ~second~

OCDとクレツキ ページ33

-side Ta_2-

『OCD！ OCD！！』

オーディエンスの声が聴こえる。

皆、既に滅茶苦茶ノッてくれてる。

けど、何処とない違和感の正体は分かってる。

いつもより、男の割合が高いな。

多分、クレツキのオーディエンスも少なからず居るからだろう。

クレツキは男女混合バンドだし、オーディエンスの男女の割合も半々くらいだから。

...若干男が多いかも知んねぇけど。

まぁボーカルがA、MiONだしな。

......まぁ、しゃあねぇけどさ。

曲が始まる。

１曲目は、MiONの希望でHEAVEN。

何でも、初めて俺らのライヴに来た時の最初の曲だったんだそうだ。

んなこと照れながら言われたら、力入っちまうだろうが。



時間なんて、あっという間に過ぎるな。

５曲通して歌いきって、会場内の熱気が目に見えそうな程だ。

Ta_2「...今日、ここに来てくれた奴等には色んな奴がいると思う。

けど全員、

OLDCODEXのオーディエンスも、

KURENAI no TUKIのオーディエンスも、

最っ高に楽しんで、んで、いい顔して帰れるように、全力で盛り上がっていこうぜお前らぁ！！」

俺の拙い言葉にも、本気で喜んで、笑ってくれる。

きっとこの中にはOCDを知らなかった奴もいると思う。

クレツキのライヴを観に来た奴等もいると思う。

そんで、この対バンツアーを良く思ってない奴等もいるかもしれない。

...それでも。

Ta_2「結成して間もなく、全員２０代でまだ若い、女のフロントマンが引っ張る駆け出しのロックバンド。

けど、誰よりも真っ直ぐで、純粋で、努力を惜しまない、オーディエンスのことを第一に考える奴等のバンドだ。

俺は、コイツらとツアーを出来て良かったと思ってる。

来いよ、クレツキ！！」

瞬間、会場内が完成に包まれ、クレツキのメンバー５人が姿を見せた。

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