負担 ページ27
遡ること一週間前。
ツアーも無事に終わり、いつものように達さんが仕事終わりに家に訪れていた時だった。
不意に達さんのスマホが鳴って、けれど画面を見て電話に出なかったのだ。
A「？ 電話ですよね？ 出ないんですか？」
そう尋ねると、達さんはバツが悪そうに「あぁー...」
と濁し、更に首を傾げると、
達央「ワリィ...」
それだけ言って、席を立った。
その後電話越しに困ったような、焦ったような声で話していて、その後私はまた尋ねた。
急な仕事が入ったのかと尋ねれば、それは違うという。
けれど恐らくはマネージャーからの電話で、他に何かあったのかと訊けば、達さんは曖昧に言葉を濁した。
結局何があったかは分からなかったのだが、翌日前野さんに会い、そこで真実を知ったのだ。
『あいつここ最近仕事詰めてるみたいでさ。ったく、無茶すんなって言っても聞かねぇんだわ』
そういうことだったのだ。
A「達さん、ツアー後に休み貰えそうだからって言ってたのに...っ」
柚紀「あ〜...達央さんならやりそうね...。けど、それはAとの時間を作る為でしょう？ どうしてそれで怒るのよ」
柚紀さんの疑問はもっともだと思う。
私だって、一緒にいたいと思ってくれるのは嬉しい。
凄く嬉しいし、その為なら私だってきっと多少の無理くらいするだろう。
...けど。
A「私の為に、達さんに無理はして欲しくない...。ただでさえ負担掛けてるのに...」
柚紀「負担？」
あ...っ、しまった...。
つい口から出た言葉は、絶対に言うまいとしていたものだったのに...。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお(プロフ) - ミトさん» はい！楽しみにしてきますね！(￣^￣)ゞ (2018年9月23日 22時) (
レス) id: 69f1870dfa (このIDを非表示/違反報告)
ミト(プロフ) - あおさん» お褒めの言葉ありがとうございます！ 随分と更新ペース落としていますがお付き合いくださると嬉しいです(*^^*) (2018年9月23日 18時) (レス) id: 8607c4133b (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - ミトさん» 了解です！とっても面白かったです！あなたの作品を他にも読んでみよう、と思えるような作品でした！ (2018年9月13日 23時) (レス) id: d740adda2b (このIDを非表示/違反報告)
ミト(プロフ) - あおさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そのあたりは個人の価値観の差があるかと思いますが、例えば複数の音から一音のみを聴き分けたり、ふとした拍子に聴こえた音が何かを判断できるのは私としては特技と言って良いのではと思い書いた次第です。 (2018年9月13日 10時) (レス) id: 8607c4133b (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - あの…楽器聞き分けたり人の声聞き分けたりするのって、特にになるんですか…？ずっとみんなできるんだと思ってましたが… (2018年9月12日 23時) (レス) id: 059f3fc3b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミト x他1人 | 作成日時：2017年4月4日 10時
