誰にも、言えない (ページ3)

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｢歩かせちゃってすみません、着きました｣

と、言ったのと同時に自然と手はほどかれた。

そこには30階建てくらいの綺麗なマンションがあった。

アイドルって凄いな、と関心した。

｢友達は先に俺の部屋で待ってるので行きましょう｣

と、優しく私をエスコートする。

私はとうとう、アイドル目黒蓮の家に来た。

玄関を開けたら待っていたのは…

私の推しの向井康二だった。

『っ…！！』

声にならない声が出た。

｢あっ、やっと来た！何してたんめめ、待ちくたびれたで！｣

｢ごめんこーじ、お待たせ｣

と向井康二が私を見て、

｢えっ、どしたんその子、なんで女の子連れてきたん？｣

と、動揺してる様に見えた。

｢さっきお姉さんが落し物して声掛けたんだ、そしたら可愛かったから…｣

と、顔を赤らめていた。

｢まぁええか！ほな3人で飲もーや！｣

温かく迎えてくれた向井康二に安堵したのも束の間、

席に座るや否や急に目の前の現実に頭が混乱し始めた。