【まふまふ】不審者系彼氏。【歌い手】 (ページ2)

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1話ページ2

mf「最近不審者多いから送ってくよ」

『いやその格好の方が不審者なんですけど』

黒い帽子、白い髪、マスクに黒いパーカーに黒いズボン。
どこから見ても不審者。これが所謂不審者系彼氏というものか。

遅刻するのもまずいので急いで家を出る。
毎回思うけどやっぱりいいマンションだなぁ、なんて。

傍から見れば不審者と女子高生が並んで歩いているというとんでもない絵面だ。通報されてもおかしくない。
でもまふくんの身バレ防止のためにはこうするしかないんじゃ！！と心の中で独り言を話す。

『ねぇまふk…んん“っ、真冬くん。寒いね』

mf「そうだね〜、今日特に寒いらしいよ。ほら、手貸して」

隣から差し出された一回り大きい手を握ると、その手に包まれてそのまままふくんのポケットに入れられる。

『あったかい。。けど、なんか不審者に誘拐されてる感じする』

mf「一言多い」

『今の気持ちを素直に話しただけだよ』

mf「…なんて日だ」

『毎日これでしょ』

mf「………何も言えない…僕の負けだぁ」

『いぇーい、勝ったぁ』

なんてコントのような会話は日常茶飯事。
私的にはカップルっぽくていいな、なんて思うんだけれども。

周りからの視線がすごい。
誘拐されてんじゃん……みたいな感じの視線を浴びるのも少し慣れたような未だ慣れないような。

いっそ「カップルです」ってでっかく書いた看板持って歩きたいくらいの気持ち。

いつの間にか校門に着いていて、まふくんに手を振る。

『行ってきます』

mf「行ってらっしゃい」

声でバレないように、少し低く声を出しているのに毎回笑ってしまう。
この癖も直さなければ…と思いながら、教室の扉を開けた。

io「Aおはよ！今日も誘拐されかけたの？」

この子は伊織(いおり)。私の一番の親友。
あれは兄だと言ってあるんだけど、毎回からかってくる。

『ちがいます〜』

io「そういえば担任も心配してたよ。黒咲なんか変な人と歩いてたけど大丈夫なのか、って」

『あー、こりゃ放課後呼び出しくらいそう』

放課後〜

担任「黒咲、ちょっといいか」

『はーい』

ほーらね、と心の中で呟く。

担任「最近黒ずくめの男の人と歩いてるけど大丈夫なのか？」

『あぁ、大丈夫ですよ。私の兄です。心配性なのでいつも送り迎えしてくれるんですよ』

担任「手を繋いでいたが」

『お恥ずかしながらシスコンなもので』

ごめんよまふくん………シスコンな兄設定にしちゃった。