お日さま園と亜風炉照美と戦場と魔法〈リク〉 ページ46
違う世界から来た、同じ顔をした私の家族。
「タツヤ、ヒロト、リュウジ、風介、晴矢、玲名、治くん、照美…で合ってるよね？」
戸惑いながらも頷く八人は私の大好きな家族とよく似ている。
ここだけのんびりとした空気ではあるが、この世界では常に戦争が起こっている。本当なら私も参加しなくてはいけないのだが、彼らを見つけたので保護するために今日は軍の基地に留まることにした。
「私はA、よろしくね。」
少しでも安心してもらえるように笑顔で言うと、みんなは驚いたように目を丸くした。どうしたのかと聞くと、どうやら彼らの世界にいる私はとてもクールで笑顔は一人も見たことがないらしい。
そんなに…？と落ち込んだが、そんな私の笑顔が見たくて構っていると聞いて嬉しくなった。
しかし次の瞬間、激しい揺れと爆音が基地内に響いた。
「落ち着いて！大丈夫だよ！」
パニックしているみんなをどうにかなだめ、安全な場所に避難するために一度外に出た。しかしそこには敵の軍勢がいた。
応戦態勢に入ったが、一向に攻撃してこない。不思議に思って透視魔法で敵の後ろを見てみると、なぜかヒビが入っている空間があった。
まさかあのヒビ…！
「…みんな、私の攻撃であいつらを遠くに飛ばすから後ろに続いて！敵が守っているのは、多分みんながこっちに来るときにできた空間のヒビ！そこに入れば帰れると思う！」
そう言うと顔を見合わせてから頷き、「分かった！」と声を揃えて返事をした。
深呼吸し、一気に魔法で敵を蹴散らせていった。私の属性は水と氷。水で火を打ち消し、氷で雷を跳ね返す。
それを繰り返していくうちに敵は撤退し、一人もケガせずにヒビの前に辿り着いた。
「ここに入れば変えれるんだよな？」と聞くヒロトに「うん。」と一言だけ返す。…言おうか迷っていたことを思い切って言うことにした。
「お別れの前に二つ、いいかな？
…こっちの世界のみんなはね、戦死したの。だから、もう一度みんなに会えた気がして嬉しかった、ありがとう。
それからね、私が知ってる家族たちとみんなは性格は全然違う。でも一つだけ、同じものがある。
"家族を大切に思う気持ち"
私はみんなが大好き、大好きだった。だからみんなの世界の私も、みんなのことが大好きだと思うよ。だからもっと構ってあげてね、意外と寂しがり屋だから。」
力強く頷いてくれたのを見て笑顔で見送る。
「…さよなら、みんな。」
「「さよなら、A！」」
野坂悠馬と倉庫とナイフ〈リク〉→←万作雄一郎とお風呂とペンダント〈リク〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 36人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美紅(プロフ) - 楯山アヤメさん» そうですか… (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
楯山アヤメ(プロフ) - 美紅さん» すみませんが小説自体のリクエストは受け付けていません。受け付けているのは次回作の短編集のものだけです･･･。 (2019年3月20日 22時) (レス) id: 8a9156fa53 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - 楯山アヤメさん» いいえ、小説です (2019年3月20日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
楯山アヤメ(プロフ) - 美紅さん» 『君との時間』のリクエストでしょうか？ (2019年3月20日 22時) (レス) id: 8a9156fa53 (このIDを非表示/違反報告)
美紅(プロフ) - イナズマイレブン 無印時代 マックス君 FF編&エイリア学園編&FFI編 FF編はマックス君の幼馴染であり猫耳帽子のキャップエイリア学園編はオリキャラ登場するキャラバン参加するためFFI編はイナズマジャパンの代表選んだの物語です (2019年3月20日 22時) (レス) id: 5e245d9090 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：楯山アヤメ | 作成日時：2019年2月11日 21時
