選択 ページ30
足音の主はどうやら隣の人らしく、部屋のドアが閉まる音がしてほっと一息つく。
｢…ｯ………──────────、｣
ずっとにっしーをドアに押しつけていたことを今更ながらに気づいて、私は慌てて彼から離れた。
隆｢…A、｣
初めて名前を呼ばれたかと思うと、次の瞬間には彼の腕の中にいた。
隆｢ずっと…、そう呼びたかった。｣
｢…ｯ………、｣
隆｢…行くな、｣
｢え……？｣
隆｢他の男のとこになんて、行くなよ……。｣
私の首筋に顔を埋めながら囁かれたその言葉に、目頭が熱くなるのを感じた。
｢…ｯ………───────────、｣
胸板を押して、彼の拘束から逃れる。
｢…勝手なのね。｣
隆｢…………、｣
｢離れていくのは…、私じゃない。
置いていかれるのは、いつも私の方……。｣
母さんにも、あんたにも……。
隆｢俺は…、お前を置いてったりしない。｣
｢…嘘つき。｣
どうして、来てくれなかったの……。
どうして、実彩子を選んだの……。
｢…あんたなんか、大っ嫌い……。｣
あんたがいなきゃ、こんなに弱い人間にはならなかった。
隆｢…嫌いでも何でも、そばにいたい。
辛い時は慰めてやりたいし、嬉しい時は一緒に笑いたい。｣
｢…ｯ………、｣
隆｢泣いてる時は、こうやって涙を拭ってやりたい。｣
指先で撫でるように涙を拭うと、彼はそう言って私を見つめた。
隆｢本気で俺が嫌いなら、殴ってでも止めろ。｣
｢…………、｣
ゆっくりと近づいてくる瞳から、一瞬たりとも目を逸らせなくて。
唇が重なる寸前、躊躇うような彼の瞳を見て、私はそっと目を閉じた。
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琴羽(プロフ) - 由希さん» お久しぶりです！行進お待たせしました<(_ _*)> もう少しで完結なので頑張ります！ (2019年6月10日 18時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 久しぶりです。更新楽しみにしてます (2019年6月10日 9時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» いえいえ全然！アメとムチのムチの方だと思ってます笑 更新頑張ります！ (2019年3月12日 7時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 嫌な事言ってすいませんでした。これからも楽しみにしてます (2019年3月11日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - くまさん» そう思ってもらえて良かったです！頑張ります！ (2019年3月11日 5時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年8月27日 10時
