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｢………、｣
若林くんは、私とご飯を食べる時以外、ずっとマスクを着けている。
前に一度、その理由を聞いたことがある。
原田｢あんたまたマスクしてんの？
ご飯食べてるんでしょ？
つうかさ、ずーっとマスクしてて苦しくない？外せば？｣
だから、簡単にそう言った先生に、少し怒りを覚えた。
若林｢外したいに決まってんじゃんｯ……、｣
思い詰めたような声でそう言って、若林くんは屋上を出て行ってしまった。
｢簡単にあんなこと言わないでください。｣
誰もが、先生みたいに自分らしく生きていけるわけじゃないんだから。
｢精神的な不安から、表情を見られたくない人だっているんですよ？｣
そうですよ、って頷いてくれる田中先生と、大して興味なさげな原田先生。
ほんと対照的だな、この二人…。
田中｢あいつはずっとマスクをつけてることで、ようやくコミュニケーションをとれるようになったんですから。
マスクはうちの学校の多種多様、個性として……｣
原田｢個性もクソも、全然コミュニケーションとれてないじゃない。
あんなの個性じゃない、壁よ！｣
｢………、｣
"外したいに決まってんじゃんｯ……"
本人がそう思ってるなら、
確かにあれは、個性とは言えないのかも……。
｢あの、私もう失礼します。どうぞごゆっくり。｣
屋上を出て階段を降りていけば、渡り廊下の窓から外を見ているしゅうがいた。
｢…何してるの？｣
明智｢…別に。｣
｢そっか……、｣
それ以上何を言えばいいのかも分からず、教室に戻ろうとした時だった。
明智｢お前、若林と仲良いんだな。｣
｢え……？｣
明智｢付き合えば？｣
｢なに…、急に……。｣
明智｢協力してやろうか？｣
｢…ｯ……、最低。｣
薄い笑顔を浮かべるしゅうを睨んで、私は浮かんでくる涙に悟られないよう、走ってその場から逃げた。
｢…ｯ……バカしゅうｯ……。｣
私の気持ち、誰よりも知ってるくせに。
あんな奴、嫌いになれたらって、
違う人を好きになれたらって、
一番思ってるのは、私なのに……─────。
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. - ページ41、「若林｢あ〜、"る" って言うなよ若林ー。｣←これ、東条が言ったセリフですよ??若林が若林に言ってるってなってますけど‥。 (2021年3月24日 13時) (
レス) id: 8938ef0b4a (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ninakoさん» ありがとうございます泣 そんなに褒めてもらえて感動です！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ninako(プロフ) - どうしよう、どきどきして切ない。切ない！すきです。 (2019年6月17日 19時) (レス) id: 4d463ce0f8 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます！ 頑張ります笑 (2019年6月17日 6時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 続き、すごく楽しみにしています！ (2019年6月16日 21時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2019年6月9日 22時
