・ ページ36
*****
職場体験二日目。
｢じゃあ今日は、今やった作業をしてもらいます。｣
女子グループは昨日同様作業を始めたけど、しゅうたちはやっぱり見てるだけだった。
茜｢やっぱ作業させてもらえないんだね。｣
｢これじゃ何のための職場体験か分かんないよ。｣
茜｢ほんとだよ。｣
そのままお昼になって、ふとしゅうたちの様子を窺うと、いつの間にか男子はいなくなっていた。
｢…あれ？｣
茜｢どうした？｣
｢男子がいなくなってる。｣
茜｢え？…ほんとだ。｣
すると、男子のグループを担当していた人が、慌てたように外に出て行った。
少しして工場長も出て行くと、怒鳴り声みたいなのが聞こえてきて。
｢…大丈夫かな……、｣
茜｢うん……。｣
外を見ていると、しゅうや牛久保くんたちが帰っていくのが見えた。
茜｢…え、帰っちゃうの？｣
｢しゅう……、｣
しゅうが怒るのも無理はない。
他人を見下すような人が、一番嫌いだから。
茜｢………、｣
その日しゅうたちが戻ってくることはなく、微妙な雰囲気で二日目が終わった。
茜｢…あの、さ。｣
帰り道、茜が意を決したようにそう切り出した。
｢ん？｣
茜｢聞きたいことあるんだけど。｣
｢…なに？｣
茜｢んー…、Aと明智ってさ、付き合ってたの？｣
｢…え！？｣
予想のはるか上をいく質問に、私は思わず立ち止まった。
｢何言ってんの？｣
茜｢いやー…、ずっと思ってたんだけどね？
なんか、二人の間に流れてる空気？がさ、別れて気まずいカップルみたいな感じだからさ。｣
｢何それ…、｣
茜｢それにさ、いつも明智くんって呼んでんのに、さっき "しゅう" って……。｣
｢あー……、｣
うっかりしてた…。
茜｢まぁ、ただの疑問なんだけどね。｣
｢…付き合ってたわけじゃないけど…、｣
茜｢………？｣
｢好きだよ。…しゅうのこと。｣
茜｢やっぱりかー。｣
｢ごめん、黙ってて。｣
茜｢何となく気づいてたよ？
たまにさ、明智にすっごいアツーイ視線送ってたから。｣
｢え？マジ？｣
茜｢マジ。｣
｢マジか…。恥ずかしいじゃん。｣
茜｢ま、Aだけじゃないけどね。｣
｢え？｣
茜｢別にー？｣
そう言って、茜は意味ありげな笑みを浮かべた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
. - ページ41、「若林｢あ〜、"る" って言うなよ若林ー。｣←これ、東条が言ったセリフですよ??若林が若林に言ってるってなってますけど‥。 (2021年3月24日 13時) (
レス) id: 8938ef0b4a (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ninakoさん» ありがとうございます泣 そんなに褒めてもらえて感動です！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ninako(プロフ) - どうしよう、どきどきして切ない。切ない！すきです。 (2019年6月17日 19時) (レス) id: 4d463ce0f8 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 鶴さん» ありがとうございます！ 頑張ります笑 (2019年6月17日 6時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
鶴 - 続き、すごく楽しみにしています！ (2019年6月16日 21時) (レス) id: c081e3d2cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴羽
| 作成日時：2019年6月9日 22時
