Ep.57 ページ8
*****
片｢…何だこの状況。｣
片桐さんは、目の前に座る伊藤くんと京ちゃんを見ながらそう呟いた。
｢…ダブルデート、ってやつかな？｣
そう言えば、片桐さんが不機嫌そうに私を睨む。
｢そんなに怒らないで。｣
片｢なっ……やめろバカ。｣
私が無理に笑わせようと頬を引っ張れば、片桐さんが顔を真っ赤にして抵抗する。
伊｢ハハハ、てめぇのそんな顔初めて見たぜ。
開久の頭も、好きな女には適わねぇか。｣
片｢うっせー。死にてぇのか。｣
｢またすぐそうやって……、物騒なことばっかり言わないで。｣
私たちのやり取りに伊藤くんと京ちゃんは笑い出すと、メニューを開いた。
京｢私、チョコレートパフェ。Aさんは？｣
｢私も。ここのチョコレートパフェ美味しいよね〜。｣
京｢ですよね！あ、伊藤さんは？｣
伊｢んー…、俺はコーヒー。｣
京｢片桐さんは何にします？｣
片｢…コーヒー。｣
｢嘘つかないの。京ちゃん、レスカ二つで。｣
京｢あ、はい。｣
京ちゃんが店員さんに注文を伝えている間、伊藤くんはずっと下を向いて肩を震わせていた。
片｢さっきから笑ってんじゃねぇ、伊藤。｣
伊｢いや、だってよ……。｣
片｢お前のせいだぞ、A。｣
｢親近感感じてくれてるんだよ、伊藤くんは。｣
片｢何が親近感だ。バカにしてるだけだろーが。｣
伊｢そんなことねーよ。
ただ、お前も俺とおんなじ男なんだなって思っただけだ。｣
片｢それがバカにしてるっつってんだ。｣
｢もー！
せっかくのデートなんだから喧嘩腰にならないで。｣
そう言って片桐さんの腕を掴んだ時、注文したものが運ばれてきた。
｢はい。これでも飲んで落ち着いて。｣
片｢…………。｣
片桐さんは相変わらずの仏頂面でレスカを受け取ると、大人しく飲み出した。
結局その後も、片桐さんが口を開くことは一度もなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴羽(プロフ) - ゆうきさん» ありがとうございます！私も映画見ました笑 智司かっこよかったですよね(≧∇≦) 続編でオリジナル書いてるのでぜひ読んでください！ (2020年8月27日 13時) (
レス) id: e0b082d93e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - いきなりすみません！映画見てまたハマってついに見ちゃいました！ちなみにこの作品見るの2回目です、、これからもっと見ると思います笑笑本当にキュンキュンさせられます！私個人としては、オリジナルストーリーが見たいので、作者様のオリジナルを書いて欲しいです！ (2020年8月27日 3時) (レス) id: 7ad2e8f6ef (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - どこの智司くん笑 近所にいっぱい智司くんがいるみたい笑笑 1番なんて嬉しすぎます！ 更新頑張ります！！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 更新ありがとうございます。どこの智史くんよりも琴羽さんが書く智史くんが1番好きです。毎回キュンキュンさせられてます。笑 今後も楽しみにしてます^ ^ (2019年5月6日 2時) (レス) id: 197940d511 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - なほなりさん» きゅんしてもらえてよかったです笑 更新頑張ります！ (2019年4月8日 4時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：琴羽
| 作成日時：2018年12月21日 22時
