Ep.90 ページ42
***
その日の夜、智司がうちにご飯を食べに来た。
母｢あとでいちご持ってくから、上に上がってなさい。｣
｢はーい。｣
私は智司の背中を押して、自分の部屋に入った。
｢ずっとバイトするつもり？｣
片｢学校に行く必要もねぇしな。｣
｢じゃあ本気で、頭には戻らないの？｣
片｢…んだよ。頭じゃない俺には興味ねぇか？｣
智司は左手を私の後頭部に添えると、からかうようにそう言った。
｢はぐらかさないで。｣
そう言って、彼の手をどける。
片｢…俺に頭に戻る資格はねぇ。仲間を裏切った。｣
｢それはｯ…、相良さんの嘘じゃない。｣
片｢その嘘を、事実だと思ってる奴もいる。
そいつらにとって俺は、裏切り者以外の何でもねぇ。｣
｢…ｯ……じゃあ、このまま相良さんを放っておくの？｣
片｢………、｣
｢青果店のおじさんに言われたんだけどね、金髪とトゲトゲ頭が商店街の人たちをカツアゲしてるから気をつけろって……。｣
片｢そりゃ三橋と伊藤のことか。｣
智司が驚いたように、そう言った。
｢多分…。
でも、そんなことする人たちじゃないって分かってるでしょ？｣
片｢…相良の罠だ。｣
｢罠？｣
片｢開久は警察に睨まれてるからな。
相良は三橋伊藤を、開久の中で始末してぇはず。
だから、二人を怒らしておびき出そうとしてんだ。｣
｢そんな……、｣
片｢相良のことは三橋伊藤でケリつけねぇ限り、解決しねぇぞ。｣
｢…………、｣
片｢…おめぇがそんな顔すんな。｣
そう言うと、智司は私の顔を両手で挟んだ。
片｢あいつらの心配はいらねぇ。
卑怯もんとバカ真面目がいるからな。｣
｢ふふ。智司って、本当は二人のこと好きでしょ。｣
片｢ふざけんな。
俺が好きなのはおめぇだけだ。｣
｢私も好き。｣
智司の膝に乗って、お互いの頬に触れる。
｢…キス、したいな。｣
片｢すればいいだろ？｣
多分、智司からはしてくれないらしい。
｢…ｯ……目、閉じて…、｣
片｢…ん。｣
大人しく目を閉じた智司の額に、キスした。
それから目と鼻にもキスして、微かに弧を描く唇に視線を落とす。
ドキドキしながらゆっくりと顔を近づけて、智司の息遣いを間近で感じた時、ｶﾞﾁｬﾘと音がした。
｢…ｯ………、｣
片｢…………、｣
同時に目を開けた私たちは、恐る恐るドアを見た。
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琴羽(プロフ) - ゆうきさん» ありがとうございます！私も映画見ました笑 智司かっこよかったですよね(≧∇≦) 続編でオリジナル書いてるのでぜひ読んでください！ (2020年8月27日 13時) (
レス) id: e0b082d93e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - いきなりすみません！映画見てまたハマってついに見ちゃいました！ちなみにこの作品見るの2回目です、、これからもっと見ると思います笑笑本当にキュンキュンさせられます！私個人としては、オリジナルストーリーが見たいので、作者様のオリジナルを書いて欲しいです！ (2020年8月27日 3時) (レス) id: 7ad2e8f6ef (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - どこの智司くん笑 近所にいっぱい智司くんがいるみたい笑笑 1番なんて嬉しすぎます！ 更新頑張ります！！ (2019年5月6日 17時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 更新ありがとうございます。どこの智史くんよりも琴羽さんが書く智史くんが1番好きです。毎回キュンキュンさせられてます。笑 今後も楽しみにしてます^ ^ (2019年5月6日 2時) (レス) id: 197940d511 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - なほなりさん» きゅんしてもらえてよかったです笑 更新頑張ります！ (2019年4月8日 4時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年12月21日 22時
