初めて知る姿 隆弘side ページ23
***
タクシーが止まったのは、白い壁の簡素なアパートだった。
てっきり高級マンションにでも住んでるのかと思ってた……。
隆｢ありがとうございました。｣
Aの膝裏に手を添えて横抱きにすると、エレベーターに乗って眠る前に聞いていた６階のボタンを押す。
エレベーターを降りて部屋の前に着くと、Aの鞄の中から鍵を見つけてドアを開ける。
隆｢…よいしょ、っと。｣
片手で何とか靴を脱がして寝室に入ると、綺麗に整えられたベッドにそっと寝かせた。
隆｢…全然警戒心ねぇな。｣
そう呟きながら布団をかけてやると、Aの目がゆっくり開いた。
隆｢起きたか？
…俺はもう帰るから、明日寝坊するなよ。｣
｢…ん……、｣
分かってるのか分かってないのか、そんな気の抜けた返事を背に電気を消そうとスイッチに手を伸ばすと、焦ったようなAの声が聞こえた。
｢……いで……！｣
隆｢え？｣
｢…消さないで……、｣
Aはゆっくり起き上がると、初めて見るような怯えた目で俺を見上げた。
｢…寝れなくなるから…、消さないで……。｣
隆｢…暗闇が、怖いのか？｣
そう問いかければ、おずおずと頷く彼女。
隆｢…………、｣
初めて知ったその事実と共に頭に浮かんだのは、高２の修学旅行の夜のこと。
**
真夏の暑さを引きずったままの９月の沖縄で、高校生だった俺たちはそれぞれの夏の思い出を刻んでいった。
１泊目の夜、とっくに消灯時間をすぎた頃、俺は慣れないベッドのせいか目を覚まして部屋を出た。
ホテルの外に出てみても、むわっとした蒸し暑さに襲われて眉根を寄せた。
隆｢あっちぃ……、…A？｣
額に滲む汗を手の甲で拭うと、掲げた腕の先にAの姿を見つけた。
隆｢A！｣
｢……！……しっ……！｣
俺に気づいたAが唇に人差し指を寄せて、周りをキョロキョロと見渡した。
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琴羽(プロフ) - ふみさん» はい！早く書けるように頑張ります！ (2018年8月15日 20時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続編楽しみです！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» 課題頑張ります笑 できるだけ早く続編書けるといいんですが…… (2018年8月15日 19時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 続編楽しみにしてます。課題頑張ってください! (2018年8月15日 18時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ゆなさん» いえいえ！大丈夫です笑 楽しんでいただけてるみたいで良かったです。更新頑張ります！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年7月15日 10時
