少しの接近 ページ15
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私と西島さんは遊び場の前の階段に座って、元気に遊ぶ子供たちを見つめた。
｢なんでここにいるの？｣
隆｢ドラマの…、お前が演じる優海は、施設育ちって設定だから。いろいろ話を聞きたくて。｣
｢そう。｣
隆｢…お前は？｣
｢……ここで育ったの。私。｣
隆｢え……、｣
再会してから初めて、彼が私に感情を見せてくれた気がした。
｢驚いた？まぁ…、そうよね。｣
隆｢………………、｣
｢それで？知りたいことはわかった？｣
隆｢え？｣
｢ドラマの参考にしたかったんでしょ？｣
隆｢ああ……、…優海の、母親への感情がわからなくて。｣
｢母親への感情？｣
隆｢自分を捨てた母親に、憎しみを抱いてるのか、愛情を求めてるのか…。｣
｢…そんなの、どっちもに決まってる。｣
隆｢どっちも？｣
｢自分を捨てた母親は、当然憎い。
でも、自分を産んだたった一人の人に、愛情を求めるのも当然。｣
隆｢………………、｣
｢憎くても嫌いにはなれないから、辛い。
許すことも、嫌うこともできずに、少ない母親との思い出にすがるしかない。
…優海にとって、憎いと嫌いは別物なのよ、きっと。｣
隆｢憎いと嫌いは別物……。｣
｢優海の場合はね。西島さんは同じでしょ？｣
隆｢俺？｣
｢私のこと、憎いし、嫌いでしょ？｣
隆｢それは……、｣
案の定言葉に詰まった彼を見て、相変わらず嘘が下手だと苦笑する。
隆｢…お前への感情は別として、｣
｢……………？｣
隆｢華零としてのお前は…、嫌いじゃない。｣
｢…ｯ……、｣
思いもしなかったその言葉に、思わず彼を見つめた。
隆｢この間のリハーサルの時、お前熱あったろ。｣
｢………………、｣
隆｢でも、誰にも何も言わず、最後まで耐えてた。
正直、お前をそういう奴だとは思ってなかったから。
偏見があって、お前の映画とか、ドラマとか、一度も見たことなかったけど、見たんだ。｣
｢…ｯ………、｣
隆｢…すげぇと思った。
プロデューサーたちがお前をゴリ押しした理由が、今ならわかる。｣
｢…そう……。｣
隆｢うん……。｣
こんな時でも素直にありがとうと言えない自分に呆れながらも、お互いに何も言わず、ただ子供たちの楽しそうな声を聞いていた。
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琴羽(プロフ) - ふみさん» はい！早く書けるように頑張ります！ (2018年8月15日 20時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続編楽しみです！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» 課題頑張ります笑 できるだけ早く続編書けるといいんですが…… (2018年8月15日 19時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 続編楽しみにしてます。課題頑張ってください! (2018年8月15日 18時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ゆなさん» いえいえ！大丈夫です笑 楽しんでいただけてるみたいで良かったです。更新頑張ります！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年7月15日 10時
