誤解 ページ29
*****
あの日からにっしーは現場に来ることが少なくなった。
撮影が順調に進む中、千晃さんが差し入れだと言ってパウンドケーキを持って来た。
撮影の前に食べると、途中から気分が悪くなってきて……、
｢…ｯ………、｣
直｢…大丈夫か？｣
｢…何が？｣
平静を装ってそう言うと、直也は首をかしげながらも何も言わなくなった。
休憩時間に入ると、千晃さんが控え室に入ってきた。
千｢ごめんね、華零ちゃん！
私賞費期限切れのやつ渡しちゃったみたい！｣
｢…そうですか。｣
千｢お腹とか痛くない？｣
｢ええ、全然。ご心配なく。｣
表情筋をフルに使って笑顔でそう言うと、千晃さんは若干不満そうな顔をして控え室を出ていった。
｢…ｯ………あの女……、｣
激痛の走るお腹を押さえながらそう呟くと、顔色が悪いのがバレないようにチークを入れて、リップも塗り直した。
昔から得意のポーカーフェイスが役に立って、その日は誰にもバレずに撮影を終えた。
｢…ｯ………─────────────、｣
車の近くで秀太を待っていると、いつかと同じように日高くんが実彩子を迎えに来た。
｢…どうも。｣
光｢……………。｣
お互い大した会話もせず、それぞれ目的の人が来るのを待っていた。
｢……ｯ………ぁ……──────────、｣
あまりの痛みに壁に手をついて座り込むと、日高くんが近づいてきた。
光｢…おい、｣
私の手を掴んで立ち上がらせようとした日高くんが、驚いたようにそう声を出して、慌ててかがみ込んだ。
｢…ｯ………大丈夫……、｣
私の顔を覗き込んだ彼は、手を私の額に当てた。
光｢お前熱が……、｣
実｢…光啓？｣
日高くんの声と、実彩子の声が同時に聞こえた。
顔を上げて立ち上がると、そこに実彩子とにっしーがいた。
あれ…、にっしー来てたんだ……。
呑気にそんなことを考えていると、実彩子が近づいてきて私の頬をぶった。
｢…ｯ………、｣
光｢実彩子ｯ………！｣
実｢光啓に手を出すなんて……！｣
｢……………………、｣
私は言い返す気力もなくて、今にも泣き出しそうな実彩子の腕を日高くんが引いて車に乗るのを、頬の痛みを感じながら見つめていた。
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琴羽(プロフ) - ふみさん» はい！早く書けるように頑張ります！ (2018年8月15日 20時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続編楽しみです！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» 課題頑張ります笑 できるだけ早く続編書けるといいんですが…… (2018年8月15日 19時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 続編楽しみにしてます。課題頑張ってください! (2018年8月15日 18時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ゆなさん» いえいえ！大丈夫です笑 楽しんでいただけてるみたいで良かったです。更新頑張ります！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年7月15日 10時
