呼び方 ページ12
*****
それからまたしばらくして、台本の読み合わせを経て今日からリハーサルが始まった。
｢あなたって、お金持ちなの？｣
直｢そうだったら？｣
｢私を買ってよ。…その代わり、私の体をあげるから。｣
そう言って、
私は直也の首に手を回して唇を重ねる……───────、
寸前に、監督のカットの声がかかる。
監｢そこは手を回すより、肩に両手を置いて背伸びするくらいの距離感がいいかな。｣
｢わかりました。｣
その後も順調にリハーサルは進み、休憩時間に入った。
私は椅子に座って休む間、台本を開いた。
母親に捨てられたせいで地獄を生きる女と大企業の社長。
全く異なる世界を生きるふたりが、互いの孤独を共有していく中で愛し合う。
それが、このドラマの大筋の話だ。
初めて台本を読んだ時、これほど自分にぴったりな役があるかと自嘲した。
相手役が直也だというのは、イレギュラーだったけれど。
直也と初めて会ったのは、高２の春だった。
夜の街をぶらぶらと歩いてたら、まだ無名の俳優だった直也と出会った。
…誰でも良かった。
あの日の虚しさと寂しさを埋めてくれるなら、誰だって。
それから２年くらい関係が続いて、直也が人気になってからは自分から連絡を絶った。
マスコミとか、スキャンダルとか、そういう面倒なものに巻き込まれるのは嫌だったから。
直也も、その方が都合が良かったはずだ。
なんて昔話に浸っていると、リハーサル室に西島くんが入ってきた。
｢見学？｣
隆｢……………、｣
｢…にっしー。｣
私を無視して監督の元に行こうとした彼に向かって、私はそう呟いた。
｢昔みたいに、そう呼んでもいい？｣
隆｢…やめろ。不快だ。｣
｢…なら、西島さん。
西島くんって歳でもないでしょ？｣
隆｢好きにすれば。｣
そう言って、西島さんは今度こそ本当に監督の元に向かった。
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琴羽(プロフ) - ふみさん» はい！早く書けるように頑張ります！ (2018年8月15日 20時) (
レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続編楽しみです！ (2018年8月15日 19時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - 由希さん» 課題頑張ります笑 できるだけ早く続編書けるといいんですが…… (2018年8月15日 19時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 続編楽しみにしてます。課題頑張ってください! (2018年8月15日 18時) (レス) id: ec5f86864e (このIDを非表示/違反報告)
琴羽(プロフ) - ゆなさん» いえいえ！大丈夫です笑 楽しんでいただけてるみたいで良かったです。更新頑張ります！ (2018年8月9日 18時) (レス) id: aa9346f6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琴羽
| 作成日時：2018年7月15日 10時
