自動販売機、のような

シゲちゃん ページ1

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「こやま、も、しぬかも、」



小山慶一郎。

今、加藤さんに抱きつかれてます。



「どーしたの？シゲちゃん。」



雑誌の撮影が終わって、

楽屋に入った瞬間俺に抱きついてきたシゲ。



本当に入った瞬間だったから、入り口塞いじゃってて。



まっすーと手越君は、

まだ廊下でワチャワチャしてるから入って来てないけど…。



スタッフさんが廊下通るたんびに俺らの方チラチラ見るから、

ちょっと恥ずかしい。



「シゲ？とりあえず、ちゃんと中入ろ？」



「んー。いや、いや。」



抱きついたまんま、いやいやって首を振る。



「なんで？動くのが嫌なの？

でも、いろんな人が見てるんだよ？」



「いや、いや、」



「イヤイヤ言っててもわかんないよ？」



「いや、」



取り敢えず、シゲの様子がおかしいのは明らか。



たぶん、風邪ひいてるんだろなって。

だって抱きついてる体、熱いし。



何言っても「いや」しか言わないなんて…。



まるで子供。



「しゃーないなぁ。」



とりあえずこのままはマズイから、

お姫様抱っこでソファまで運ぶ。



案の定、やっと見えたシゲの顔は真っ赤。



「シゲしんどいの？そーなんだよね？」



「こやまぁ。」



会話のラリーができない、笑



とろんとした目には、涙をいっぱい溜めて、

俺の方を見つめてくるシゲはいつもより可愛い。



なーんつって。

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