気象系歌物語 (ページ18)

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hit the floor 7 ページ18

「こんばんは…」
『あっ…こんばんは……』

翌日、どういう風のふきまわしか、また"floor"に来てくれた彼女。

正直、泣いてるところを見ちゃったから、もう来てくれないものだと思っていた。

「昨日は…ご迷惑をおかけしました。」
『いえ…なにか飲みます？』
「あ…じゃあ昨日の…お願いします」
『かしこまりました。』

彼女は、ワイングラスにワインを注ぐ僕のしぐさをじっと眺めている。

その瞳は…すんでいてとてもきれいだった。

『…お待たせいたしました』
「どうも。」

彼女がくっとワイングラスを傾ける。

「店員さん…」
『はい？』
「私…もう来ないと思ってませんでした？」
『え…あぁ…まぁ(笑)』

突然の質問にとまどいながら、ごまかすように返事をする。

「昨日のこと…わけわかんないだろうな、と思って(笑)」
『……？』
「ほら、私、急に時計渡されただけて泣き出しちゃったから……」
『あぁ…』
「今日はその種明かしをしにきたんです……」
『なるほど…』

…てか種明かし…したらもう、来てくれないのかな……

「………変なやつだな、と思われてても嫌だったので(笑)」
『そんな…(笑)』