気象系歌物語 (ページ17)

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hit the floor 6 ページ17

『っくそ…』

布団の中で寝返りをうつ。

眠れない。こんなこと…いつもなら絶対にないのに。
僕は…どこでもすぐに眠れる体質…なはずなのに。

目を閉じればうかぶ…彼女の顔。

君は…まだ泣いているのかな…
いや…さすがに泣き止んだか……

不謹慎…なんだけど、彼女の泣き顔を見て…
なんていうか…胸の奥で…男の本能みたいなものがうずいたのを思い出す。

『…はぁ……』

今夜は眠れそうにない

『どうしてくれるんだよ……』

横断歩道をかけていった後ろ姿。
ふわっと香った香り。

久しぶりに感じた……
この胸のなかのもやもやはきっと………

こんな…こんなことあってはいけないんだけど。

相手はお客さんだし…ましてや旦那さん…いるし…
しかもまた会えるかわからないし…

『…寝れない………』

もう何度目かわからない寝返りをうって、僕は無理矢理目を閉じた。