平均点以上。一等賞未満の恋。 (ページ7)

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『っ…やっぱ、金曜日の夜は…やばい、ね』

「は、はい…というか…ジミンさん、すみませ…ん」

『あ、いや…ぜんぜ、ん…大丈夫だから』

いや、ごめん…全っ然、大丈夫じゃない。

繁華街を抜けて地下鉄に乗り込んだものの
さすが週末の夜

いつもだったらこれ位の時間には
辛うじて座れるくらいの混み具合なのに…

文字通り、すし詰め状態の車内
しかも周りには酒臭い酔っ払いのサラリーマンばかり

男の俺ですら辛いのに、女の子にはもっとこの状況は過酷だろうと思い
ドア側の方に彼女を移動させてあげた

ところまでは、良かったんだけど…

うわ…駅に停車するたび
降りるどころか、むしろ人増えてんじゃん。

どんどん密度を増して行く車内

カーブに差し掛かったところで
ドンと誰かに押されて

あ、やばっ…

と、咄嗟に手をつけば
すぐ真横には、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で
目をぱちくりさせている彼女。

まずい…これってどう考えも

壁ドン状態じゃん。

不幸な事に…
Aさんは別に身長が低いわけでも
高いわけでもないから

男の中ではあまり身長の高くない(チビではない)
俺と向き合うと

Aさんの顔は、ちょうど俺の首筋あたりにくる。

どうしよう…近すぎる、息しずらい。
というか鼻息掛かってたりしないよね？

動揺と緊張のあまり
うまく息をする事すら出来なくなってきて
頭の中はパニック状態。

それでも、そんなことAさんにバレたら
恥ずかし過ぎるから

必死に隠そうとして、尚更意識してしまう。

あぁ、もう…早く降ろして；

こんなんじゃ、俺の身が持たないよ；