平均点以上。一等賞未満の恋。 (ページ1)

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『はぁ…明日からまた月曜日か。』

空になったビールを、ポイっとゴミ箱に投げ付ける

きれいに弧を描いて落ちていく空き缶は
そのまま、カツンっと音をたててごみ箱の中に消えて行った。

『よっしゃ、明日いい事ありそう♪』

なーんて、一瞬浮かれたけど
ベッドに入れば嫌でも現実に引き戻される

はぁ…会社…めんどくさいなぁ。

あ…そういえば、明日だったよな？
新しくマーケの方から異動があるのって

マーケ部から営業部に異動とか、異例中の異例だし
どんな人が来るんだろ？

男？それとも女の人？

あっち側から来るんだから、きっとめちゃめちゃ頭良くて仕事も出来るんだろな。

『これでまた、1人追い抜かれるなぁ。』

新卒で入った今の会社も、気が付けば3年目

仕事にだっていい意味で慣れたし
成績だって安定してる。

それはそれで、別に悪くはないんだけど…

俺の悩みはそこ。

昔から何をしたって平均点以上は取れるし
飲み込みだって別に悪くない。

でも、逆を言えば…

特質して何かを極めるとか、誰にも負けない何かがあるわけででもなかった。

それは、会社でも同じで
いつも営業成績は上位の方だし下がることはない。

だから日頃、よく上司のミンさんには
「お前…良く言えばバイプレイヤー。悪く言えば器用貧乏だよな。」
って言われる。

そんなの改めて言われなくたって、自分が一番よく分かってるのに…

毎日をそれとなく過ごして
毎回それとなく好成績を上げて

そんなルーティン化した退屈な日常に
何となく嫌気がさしてたんだ。

君に出会うまでは…