short story II

13 ページ26

『…Aさん…生きて、る？』




「…し…しん、だ…」




『イヒヒ…じゃあ大丈夫だ♪』




「いや、聞こえてっ…あっ、」




何回め…？




数えるのもしんどい位に
わたしを追い詰めるテヒョンくん…




「っ…も、ゆる…し…てっ」



『はっ…やば、その顔…すげぇ、そそるっ』






これで、また一つ彼について分かった…




それは…




とんでもなくドSって事。





『んしょ…ほら、Aさん…顔みせて？』




背中ごと抱き起こされて向き合うと


今度は規則的に
下から突き上げてくるテヒョンくん



「ん、っふ…」



すくい上げるように唇を塞がれれば
ねっとりと絡みつく舌



『っ…やばっ、い…めっちゃ気持ちい…』




いつかの夜みたいに
再び腰をグイッと引き寄せられれば



さらに深いところに彼が当たるから



「あっ…っ…」




私自身もさらに深いところで
キュンとしてしまう



『っこれ…そんなに、いいっ…の？』



心なしか段々とテヒョンくんも
余裕なくなってきてる…？




なんて思ってたのに、




『っなら…もっと、ね』



ネクタイの端っこを引っ張って
輪のように括り付けられた手首を首に回すと




『ほら…これ、でもぅ…逃げられないよっ』



更に密着度が上がって
彼の息がダイレクトに鼓膜に伝わる




お願い、これ以上は本当に…




気持ちよすぎて、もう…どうしていいか分かんない




『っでも…ダメっ


…そんなギュっ…てしちゃ、


俺もっ…がまんできなく、なるっ』




その言葉を聞いて、不本意にも
更にキュッと中が狭くなるのを感じる。




いやっ…



こんなの知らな、い…




「っやぁ…む、り…」





それが合図かのように




より一層、がつがつと奥の深いところを攻めてくるテヒョンくん






『っはは…やら、し…Aさんっ…さいこ 』





終わりの見えない快感に
感じた事のない恐怖を覚えるけど





もう、いいや…



なんでも…



というか…



もう、何にも考えられないし




何にも、考えたくない。




だから、今はただひたすらに
この波に身を任せよう…

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す