僕に叶えられますか おついち ページ43
【おついち友人設定 七夕企画】
〜Otuiti side〜
短冊を書こうなんてのを言い出したのは弟者くん。ご自慢の行動力から言い出した時既に笹を買って帰っていた。
そしてその笹はなぜか俺の家の玄関に飾ってある。
｢これ僕も書いた方がいいの？｣
｢当たり前だよ！兄者にも書いてもらったんだから！はい、これAちゃんにも渡しておいて！｣
｢Aちゃんね、はいはい｣
七夕の今日、独り身の俺に夕飯を作ってくれるらしく数十分前に買い物に出かけたゲーム友達のAちゃん。
Aちゃんが夕飯を作ってくれるなんて、こういう時は独り身で良かったと心底思う。
正直な話、30代後半にもなってどうかと思うが俺は恋をしている…残念な事に片思いであるが。
｢あっ、おかえり〜今さっき弟者くんが来て短冊書いてってさ。机の上にAちゃんの分置いてるから書いといてね｣
レジ袋がガサガサと玄関の方で鳴る。
｢分かったー、七夕だし素麺がいいかなって素麺買ってきたよ。あと…デザート！｣
満面の笑みで駅前のケーキ屋の箱を持ち上げた。
俺も気を利かして何か買ってくればよかったかな、と思いながらも弟者くんが持って来てくれた短冊にサラサラとお願い事を書いた。
食材を1通り冷蔵庫に入れ終えたAちゃんは俺の隣に座って同じ様に短冊に何かを書き込んだ。
｢何書いたの？｣
｢気になる…？｣
ちょっと恥ずかしそうに笑ったAちゃん。
可愛いね、なんて言葉をギリギリ飲み込んで顔の前でヒラヒラ揺れる短冊を覗き込んだ。
｢好きな人と発展しますよう…って、Aちゃん好きな人｣
無意識に開いた唇に指で触れた。
知らなかったんだ、好きな人がいるなんて。勘は鋭い方だけどそれまで知らずに好きだった自分が少し情けなくて息が苦しくなる。
｢じゃぁ俺が手伝ってあげるよ、Aちゃんの恋が叶うように｣
なんでそんな事を言い出したのか分からない。叶わないならせめて近くに居たいと思ったのかもしれない。
｢本当に？私のお願い叶えてくれる？｣
冗談交じりな声音だったが、横顔は真剣そのものでなぜか緊張した俺はうん、と上擦った声で答えた。
｢私、と…付き合って｣
時が止まった気がした。付き合うって買い物に？そんなベタな思い違いをしながらもそうではないことを祈った。
｢まっ、それは狡いでしょ
それに格好が付かないよ……｣
｢俺もずっと好きだった、Aちゃんの事が｣
Aちゃんが書いたお願い、どうやら僕に叶えられそです
【END】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔(プロフ) - 白銀卿さん» コメントありがとうございます。曲と被ってるってなんか少し恥ずかしいですね(笑)相変わらずの更新速度ですがよろしくお願いします。 (2017年6月8日 20時) (
レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます。書いた甲斐がありました！需要あるんですね(笑)ネタが溜まったら書くかも、です(笑) (2017年6月8日 20時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
白銀卿(プロフ) - 49日目の嘘とホントのある一文と俺の知ってる曲の一部分が重なっているように感じながら読んでました。更新お疲れ様です。次も楽しみにしてます。 (2017年6月7日 23時) (レス) id: 4697ccbf74 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - いつも読ませていただいてます！本当に素敵な作品ばかりで…三人称さんの小説は私というものに需要がありますよ笑ぜひ読みたいです^^ (2017年6月7日 22時) (レス) id: 3b5acabf2f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - anna o-さん» そう言ってもらえて書いてて良かったって思います！中々大変な道のりでしたね、それでもあっただけラッキーですよ(笑) (2017年6月2日 11時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔 | 作成日時：2017年5月12日 13時
