無気力ガールの本気 兄者 ページ32
【友人設定】
｢おっつん〜お腹空いたぁ｣
｢あれ、お昼食べてないの？｣
｢あっためるの面倒臭い…｣
｢ばっかねぇ…｣
"無気力""めんどくさがり屋"とは私のためにある言葉だと自負している。
ご飯を温めるのも面倒くさければ、歩くのもだるい、おかげで仕事はパソコン1つあれば出来るデザイナー系。
｢なぁ、A。甘いもん食いたい｣
少し離れたテーブルから私を呼ぶ声。めんどくさがり屋な私の唯一の趣味が"お菓子作り"ということもあって甘党好きの兄者はこうやって度々私を呼ぶ。
｢タルト、でいい？｣
冷蔵庫の中を満遍なく見渡して作れそうなものを適当にあげる。しかし食えたらなんでもいい、とのこと。
｢ん、夏みかんのタルト｣
｢おお、美味そう｣
そのうち飲もうと思っていた珈琲に口をつけた。
程よい苦さだけど温い。
｢本当に甘い物好きだよね｣
｢あー、まぁな。満たされるつーか落ち着くつーか｣
｢そういえば、甘い物が好きな人は愛情欠乏症って聞いたことあるけどな｣
今まで黙ってタルトを食べていたおっつんが口を開く。続けて"兄者飢えてんじゃないのぉ、愛に"なんてフォークを咥えながら冗談交じりにそう言った。
｢一理ある。｣
おっつんと顔を突き合わせた兄者はやけに真面目な表情と声音だったけど、少し経つと吹き出すように笑う。
｢…くくっ、んなわけあるかよ。ま、たわわは常に不足してるが｣
横目で私…というか私の胸元を見てまた笑った
｢こっちも見るなぁ〜失礼なやつめ｣
｢悪い、悪い。でも感謝してるんだぜ？毎回Aには美味いデザート作ってもらってさ｣
｢じゃぁ私でいいじゃん、なんて｣
私はフォークを手元から奪って、1口掬って食べる。
｢うわ、あっま｣
作るのはもっぱら好きだが食べるのがあまり好きではない私は眉を顰めた。
(甘いもの好きが愛情欠乏症ね……)
｢馬鹿野郎ぉだなぁ｣
｢んぁ？なんか言ったか｣
｢いや｣
(逆だよ、愛情欠乏症だから甘いもの好きなんだよ)
｢また作ってあげる｣
臆病な私はこうやって甘いものを与えることでしか愛情を注ぐことができない。
そうやって、ずっと
【END】
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朔(プロフ) - 白銀卿さん» コメントありがとうございます。曲と被ってるってなんか少し恥ずかしいですね(笑)相変わらずの更新速度ですがよろしくお願いします。 (2017年6月8日 20時) (
レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます。書いた甲斐がありました！需要あるんですね(笑)ネタが溜まったら書くかも、です(笑) (2017年6月8日 20時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
白銀卿(プロフ) - 49日目の嘘とホントのある一文と俺の知ってる曲の一部分が重なっているように感じながら読んでました。更新お疲れ様です。次も楽しみにしてます。 (2017年6月7日 23時) (レス) id: 4697ccbf74 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - いつも読ませていただいてます！本当に素敵な作品ばかりで…三人称さんの小説は私というものに需要がありますよ笑ぜひ読みたいです^^ (2017年6月7日 22時) (レス) id: 3b5acabf2f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - anna o-さん» そう言ってもらえて書いてて良かったって思います！中々大変な道のりでしたね、それでもあっただけラッキーですよ(笑) (2017年6月2日 11時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔 | 作成日時：2017年5月12日 13時
