この天使、欲張りにつき おついち ページ28
その後私は緩い振動で目を覚ました。
｢あ、目覚ました？｣
目に映るのは緑髪の男。瞳孔がオレンジ色に発光して綺麗だと回らない頭で考えた。
(あれ、生きてる…？)
｢"どうして生きてるの？"って思った？
そりゃぁきれーなお姉さんが倒れてたら助けちゃうじゃん？｣
｢ちょっと、ちょっと、僕別に危ないヤツじゃないから暴れないでって！いやぁ、降ろしても良いけど足痛いでしょ｣
最初は腕の中でもがいていた私も徐々に静かになる。緑髪の男はおついちと名乗った。
｢おついち離して｣
｢えぇ、Aちゃん寂しい事言わないでよ。俺が救ってあげたんだよ？｣
ぐうの音も出ない。
結局そのままヘリコプターに回収された私はずっと窓の外を見ながら自分が生きていることを改めて実感していた。
｢………おついちさん。あの、サバイバルキャッシュ取りに行ったんだよね？｣
｢？そうだよ？｣
｢女の子いるけど…サバイバルキャッシュの中にでも入ってたの？｣
｢弟者くん馬鹿？｣
本部に帰ってそうそう赤髪に近寄られる。
怪訝な表情というよりは何が何だか分からない感じの表情で怪訝な表情はむしろその後ろにいた青色のサングラスをかけた男の表情だった。
｢おっつんこれ猫じゃねぇぞ｣
｢兄者も馬鹿ねぇ、可愛い僕の子なの触っちゃだめよ｣
｢あーはいはい、俺は知らねぇから｣
諦めた素振りをみせたサングラスの男は自慢気なオールバックを整えながら"お前もめんどくせぇやつに捕まったな"と声をかけてどこかへ行った。
｢出てくれたっていいんだぜ、悟りのおついちだから…エンジェルだからね、エンジェル｣
皆が居なくなった本部でぶつぶつとおついちがサバイバルキャッシュを漁るおついち。
天使ね…まぁ私を助けてくれる良心がある辺り少しだけ信じて良い気がする。少しだけ
｢そんなに欲しいならあげるよ｣
"助けてくれたお礼に"と付け加えて足を引きずりながら隣に並ぶ。
｢ほんとぉ？んー、じゃぁそうしようかな｣
私とリックに付けたアーバンMDRごと掬う。
｢や、自分で動けるから大丈夫｣
胸板を押して、代わりにアーバンMDRを押し付けようとする。当のおついちは不思議そうな表情を浮かべる。そんな顔したいのはこっちだっていうのに
｢なんで？僕Aちゃんごと貰ったつもりなんだけど。｣
｢…あげたつもりないけど｣
ぱちり、とウインクをすれば唇ぎりぎりにフレンチなキスを落す。
｢それでも僕欲張りだから、Aちゃんが欲しい｣
だめ、なんて言わせない
【END】
目が合う前に逸らすのは 兄者→←この天使、欲張りにつき おついち
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔(プロフ) - 白銀卿さん» コメントありがとうございます。曲と被ってるってなんか少し恥ずかしいですね(笑)相変わらずの更新速度ですがよろしくお願いします。 (2017年6月8日 20時) (
レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます。書いた甲斐がありました！需要あるんですね(笑)ネタが溜まったら書くかも、です(笑) (2017年6月8日 20時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
白銀卿(プロフ) - 49日目の嘘とホントのある一文と俺の知ってる曲の一部分が重なっているように感じながら読んでました。更新お疲れ様です。次も楽しみにしてます。 (2017年6月7日 23時) (レス) id: 4697ccbf74 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - いつも読ませていただいてます！本当に素敵な作品ばかりで…三人称さんの小説は私というものに需要がありますよ笑ぜひ読みたいです^^ (2017年6月7日 22時) (レス) id: 3b5acabf2f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - anna o-さん» そう言ってもらえて書いてて良かったって思います！中々大変な道のりでしたね、それでもあっただけラッキーですよ(笑) (2017年6月2日 11時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔 | 作成日時：2017年5月12日 13時
