炎上レアリザシオン 兄者 ページ21
【兄者彼女設定】
時計は午前3時を指していた。
ベッドサイドには2人の服が重なり合う様に落ちている。ライトがそれを鈍く照らす。仕事帰りだった彼の黒スーツ、シワにならないか少し心配だ。
息を吐く。
6月と言ってもまだ3時。
少し肌寒く、寒がりな彼は目を覚まし、温もりを求めて私の背中に手を回した。私は回された手を優しくさする。かさついた大きな手だ。
｢今、何時…｣
｢3時を回ったところ｣
｢あー……帰らねぇと｣
私の背中にゴツゴツと頭をぶつける。随分と嗄れた声に寝返りを打って唇をなぞる。
｢珈琲淹れようか？｣
｢ん｣
"いる"の意味なんだろうと思いながら床に散らばる服を拾って腕を通す。彼の服はやっぱり少しシワが付いていたみたいで横目で見た彼は同じ様に眉を顰めていた。
｢じゃぁまたな｣
彼が帰ってしまった後のベッドは無駄に広く、冷たい。それが気のせいだとは分かっている。いつもこのベッドが狭いと2人で笑いあっているのだから。
今さっきまで私の事が"愛しい"と"大切でたまらない"と言っていたのにすでに恋しくなった。
皮膚が溶けるぐらい熱い関わりを持ちたい。くらくらするぐらい彼に溺れたい。
｢よく眠れよ、A｣
決まってそう言う。
そうしてまぶたに優しくキスを落とすのが彼のやり方だった。
それは正しく絶望に似ていた。
それでも私は死んでしまうぐらい絶望したいと思っている。
珈琲の苦い匂いだけが残る部屋
(＿＿＿幸せ)
私は1人残されたこの部屋で死を待っている。
【END】
レアリザシオン…感覚の表出
それでも頼りない朝を待っている おついち→←そのラインを越えないでね 兄者
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朔(プロフ) - 白銀卿さん» コメントありがとうございます。曲と被ってるってなんか少し恥ずかしいですね(笑)相変わらずの更新速度ですがよろしくお願いします。 (2017年6月8日 20時) (
レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます。書いた甲斐がありました！需要あるんですね(笑)ネタが溜まったら書くかも、です(笑) (2017年6月8日 20時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
白銀卿(プロフ) - 49日目の嘘とホントのある一文と俺の知ってる曲の一部分が重なっているように感じながら読んでました。更新お疲れ様です。次も楽しみにしてます。 (2017年6月7日 23時) (レス) id: 4697ccbf74 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - いつも読ませていただいてます！本当に素敵な作品ばかりで…三人称さんの小説は私というものに需要がありますよ笑ぜひ読みたいです^^ (2017年6月7日 22時) (レス) id: 3b5acabf2f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - anna o-さん» そう言ってもらえて書いてて良かったって思います！中々大変な道のりでしたね、それでもあっただけラッキーですよ(笑) (2017年6月2日 11時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔 | 作成日時：2017年5月12日 13時
