正義なんてただのエゴ おついち ページ13
2個、3個と次々に唇を合わせて飴を食べる。
緊張のせいかイマイチ味がよく分からないのは俺だけだろうか。
重なる唇は女の子特有というのか柔らかい。近くに寄るたびにふわり、と髪の毛から俺ん家のシャンプーの匂いがする。飴を食べるためにと口を薄く開いて、重なった唇の中で遠慮がちに舌を伸ばす。飴を食べる為だって分かってるのに唇にAちゃんの舌が当たった途端ぎりぎりで保っている理性は途切れそうになる。
(馬鹿じゃないの)
自分に言い聞かす様に何度も繰り返す。
ラストの飴を放り込んでAちゃんの頬に手を置いた。
もちろんわざと。本当にキスしてるみたいで、こんな俺だけど意識してくれるといいな、なんて馬鹿みたいだって分かってるけど半ば叶わない恋をしている俺にとってみれば好機だったから。
｢あ｣
つい力を入れて飴が口の中で砕ける。ガリ、という音に加えて中からどろり、と何かが流れる。
｢ごめん、最後の飴割れちゃったみたい｣
舌の上にのる飴は割れて、ざらりとする。顎を掬って今までのように唇を重ねた。割れたせいかやけに甘く、身体が熱い気がする。
(もっと、甘いもん…欲しい、)
なぜか上手く動かない脳内思考で俺は無意識で甘いものを求めてAちゃんの唇を割って舌を入れる。口内をなぞるように舐めて、唾液を掬うみたいに舌を絡ませた。
(Aちゃん、あま…っ)
最初は抵抗からか胸元を押し返していたが次第に手の力は緩んでまるで俺に縋るようにシャツを掴む。解けていく手の力に軽い征服感に囚われて、ずくりと心臓の鼓動が速くなる。
｢っ…ごめん、俺我慢出来そうにない、かも｣
涙目で俺を見上げるAちゃんに再び唇を重ねた
【END】
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朔(プロフ) - 白銀卿さん» コメントありがとうございます。曲と被ってるってなんか少し恥ずかしいですね(笑)相変わらずの更新速度ですがよろしくお願いします。 (2017年6月8日 20時) (
レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます。書いた甲斐がありました！需要あるんですね(笑)ネタが溜まったら書くかも、です(笑) (2017年6月8日 20時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
白銀卿(プロフ) - 49日目の嘘とホントのある一文と俺の知ってる曲の一部分が重なっているように感じながら読んでました。更新お疲れ様です。次も楽しみにしてます。 (2017年6月7日 23時) (レス) id: 4697ccbf74 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - いつも読ませていただいてます！本当に素敵な作品ばかりで…三人称さんの小説は私というものに需要がありますよ笑ぜひ読みたいです^^ (2017年6月7日 22時) (レス) id: 3b5acabf2f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - anna o-さん» そう言ってもらえて書いてて良かったって思います！中々大変な道のりでしたね、それでもあっただけラッキーですよ(笑) (2017年6月2日 11時) (レス) id: b25981f686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔 | 作成日時：2017年5月12日 13時
