【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ10)

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愛を召しませ弟者ページ10

【弟者彼女設定】

その日は東京にしては珍しく朝から寒くて、風も強かった。天気予報によると雪も降るかもって
｢寒いね｣
｢ん、寒いな｣
そう言ってそっと手を握ってくれる弟者の手は温くはないけどなんだか心は暖かくなった。

朝から映画にショッピング。
絵に書いたようなデートをした私達は月の登った街を手を取り合って歩いた。
｢あ、見て。雪降ってきたよ｣
見上げた濃い青の空から白い雪がちらちらと舞って、手を伸ばせば雪が掴めた。温い手の上に落ちた雪はすぐに溶けて水になった。

｢あの、さ…｣
意を決した様な弟者の声にどきりと胸が跳ねた。そしてぎゅ、と強く握り締められた手に緊張が走った。こういう時なぜか私は悪い方に考えてしまって弟者に言ったら怒るかも知れないけど"ついにわたしに飽きちゃったかな"って思った。

＿＿＿｢ずっと一緒にいよう｣

弟者の声は聞いたことがないぐらい優しい声だった。ポケットに入れてた手は私の薬指に何かを通して、嬉しそうに、でもどこか緊張した素振りで笑っていた。
ずっと欲しかったその言葉に、小指に付けられた指輪に自然と涙が流れた。
｢え、…あ、急だったよな。ごめん、泣くほど嫌だったか？｣
わかりやすくへこむ弟者の頬を包むと軽く唇に触れた。緩い温もりが唇を伝わって息が切れるまで離さなかった。
ぽかんとした表情の弟者に"すごく、すごく嬉しい"と言ってシルバーリングを撫でるとまた涙が流れた。

｢あーー、良かった。Aが泣くから俺どうしようかと…改めて言ってもいいか？

＿俺と結婚…して下さい。絶対幸せにするから｣

｢うん、弟者と一緒に幸せになりたい｣

涙ぐんだ瞳を小指で掬ってくれた弟者は瞼にキスを落とすと私をそっと抱き寄せた。

とても寒かったあの日を私はよく覚えてる、

【END】

トナカイの事を"トナカイさん！"と言った弟者とても良かったですね…和みました