【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ9)

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悪いおとな狡いこどもおついちページ9

【おついち彼女設定猫の日企画】

～Otuiti side～

｢おついち、みてみて！この"にゃんにゃん"可愛いよ！｣
｢真っ白な"にゃんにゃん"のピアス欲しいの！｣
｢兄者くんがね、Aは"にゃんにゃん"に似てるねって｣

僕の可愛いお姫様はなぜか猫の事を"にゃんにゃん"という。本人曰くそれは当たり前みたいだけど俺からしたら少しむず痒い。

その日はたまたま兄者と弟者くんと出掛けてた。兄者が急にサバゲーで使う銃につけるキーホルダーが欲しいなんて言うから寒空の中男3人で雑貨屋巡り。どうせならAちゃんとデートしたかったのに、なんて漏らせば弟者くんが"我儘な兄貴でごめんな"と苦笑いした。
｢おっつん、これ良くね｣
兄者が摘んだのは猫のチャーム。白の毛並みに緑の瞳。頭にふと浮かんだのはAちゃんの顔で、そういえば玄関の鍵になんか付けたいって言ってたなって思い出した。
｢いいね、その"にゃんにゃん"。Aちゃんにあげようかな｣
見せてよ、と差し出したけど兄者の手は動かなくてじっとこっちを見つめていた。
｢何よ｣

｢おいおい、弟者く～ん。今のおっつんの言葉聞いたかね｣
｢聞いた、聞いた。"にゃんにゃん"だって。おついちさん可愛いね｣
ニタニタと2人とも似たような気持ち悪い笑顔を浮かべる。そこで初めて自分の言ったことに気づいて急に恥ずかしくなった。
どうやら俺は知らないうちにAちゃんに感化されているみたいでそのキーホルダーを兄者の手から剥ぎ取ると逃げるようにレジに持っていった。

今日はAちゃんに会いに行こう。会ったらこのキーホルダーを渡してほっぺをつねってやろう。
"どしたの？"って小さいから俺を見上げて首をかしげて。でも"このにゃんにゃん可愛いね。おついち、ありがとう。大好き！"って笑うだろうから俺はその嬉しそうな顔を見ながら幸せに浸ろう。

【END】