【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ49)

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醜い感情に流されてみようか兄者ページ49

【兄者彼女設定】

～Anizya side～

｢はぁあ…かっっこいい。｣

俺がゲームに夢中になる後ろでAは声を上げた。吐息混じりの甘い声。
ゲームする俺の姿がカッコよすぎたか？なんて自惚れ振り返るもAとは目線が合わない。残念ながら俺じゃなくてテレビに映る俳優へのラブコールらしい。

｢…誰それ｣

｢へ？えっとね、こないだ新人賞とった俳優さん！すっごくカッコよくて、顔もイケメンなんだけど性格もいいの！それに料理も上手くて、こないだの番組でやってたけど女の子のエスコートもめちゃくちゃ上手なんだよ！もう好き！大好きーー！｣

後半辺りからもはや俺の方じゃなくテレビに向かって叫んでた。画面に映る男は確かにAが好きそうな爽やか系のイケメンで猫なで声みたいな女が好きそうな声で甘い言葉を囁いてる。その度にAは"きゃーー"と頬を赤く染める。

え、いや。俺は？

｢…俺よりそんな奴がいい？確かに爽やかイケメンでもないし、甘い言葉も囁かねぇし、料理もそんな上手くねぇけどさ…俺の方が絶対Aの事幸せに出来るよ？寂しい思いもさせないし、Aが望むことならなんでもしたげるけど。それじゃダメな訳？……俺以外見んなよ。俺で充分だろ。｣

自分でも驚くほど悲しそうな声が出た。それに思い返せば中々恥ずかしい言葉を並べていて顔をすぐに伏せた。
｢あー、いや。なんでもない。｣
パコソンの前に座り直してヘッドフォンを付け直す直前

｢…兄者もしかして嫉妬、してる？ダメじゃないよ？俳優さんの事は好きだけど兄者はもっともっとすき！比べれないくらい好き！大好き！｣
後ろから思いっきり抱きしめられる。
なんだよ、じゃぁ紛らわしい事言うな。
そんな気持ちを込めて耳に唇を寄せると

｢俺は愛してる｣

猫なで声でそっと耳打ちした。

【END】