【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ43)

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カジュアルに付き合っておついちページ43

【夢主同僚設定】

～Otuiti side～

俺の記憶では朝のニュースで1日晴れだと言っていた。

｢おついち、これ貸したげよっか？｣
となりには同僚兼好きな人のA。からかったような、それでも心配するような顔つきでビニール傘を差し出した。"え、ほんと？助かるな"差し出す傘に手を伸ばしたけどAが手を引っ込めるから宙で掴んで危うく転けるところだった。
｢ちょ、何するのよー｣
｢タダでなんか入れてあげなーい、私も入るから半分こ｣
相合傘だ。といって馬鹿みたいに意識してるのは俺だけでAは俺の事を男だとさらさら思ってない。彼女の事が好きだと気づいてから幾らかアピールはしているけどどれも玉砕続き。
サイズの小さいビニール傘はいい歳した大人2人が肩を並べるのにはやっぱり狭すぎてどうしてもどちらかが濡れてしまう。

｢A…濡れるからもう少しこっち来てよ｣
既に肩部分が濡れて肌にベッタリと張り付いている。気持ち悪くないのだろうか、表情には現れてないみたいだけど俺もいたたまれなくなって気を使った。肩を抱き寄せてみるけど軽くあしらわれる。
｢んー、じゃぁ私おついちの家まで走る！｣
突拍子の無い事を言い出すのはAのいいところであり悪いところ。今回はもっぱら後者。俺のかばんから鍵を器用に取り出すと傘を押し付け走り出した。雨脚は強くなるばかりだね、と透けた傘から曇天を見上げた。

｢はぁ…めちゃくちゃ濡れてるじゃん｣

マンションの玄関前に座り込んだAはよくドラマでみる捨てられた犬みたいにぐっしょり。スカートも濡れて変色してる。とはいえ俺もAを追いかけて結構びしょ濡れ。傘とは何か、という話だ。

｢おついちお風呂入ってきたら？｣
俺の部屋に当たり前のように入ったらAは涼しい顔でそういう。俺を男だと思ってない故の発言。
｢…透けてる。A先入ってきなよ｣
壁際までじりじりと追いやって下着の透けたブラウスを爪でなぞった。
｢ひゃぁ…！な、な、何するのよぉ｣
顔を真っ赤にしてしゃがみこむA。"どう？俺の事男だって認めてくれた？"口角が三日月を描くと胸元を強く押されて腕の中から抜け出された。

｢み、っとめるわけないじゃん！ばぁか！｣

(＿＿＿って言いながらA耳まっかなんだよね。脈アリ…だったりする？)

【END】