【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ39)

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曖昧な呼吸弟者ページ39

その日は弟者に会わず、というか一方的に逃げる様に帰ってきた。友達からは"弟者がAちゃんの事探してるよぉ"とLINEが入っていたけど無視して、ベットの中に潜り込んだ。

｢明日から顔見て笑えるかなぁ、友達…やっていけそうにないな｣

自分で思っていた以上にダメージを受けた私は言葉に出した途端涙が流れた。昔"A達とゲームやってる時が1番楽しいな！"そう言ってくれた事があった。だから彼女とか、好きな子とか、作らないんじゃないかって今日まで馬鹿みたいに信じてた。
起きていたらろくな事がない。ベットに身体を預けて、無理矢理意識を飛ばした。

｢＿＿＿、ぃ、ん…｣

誰かが私を呼んでる気がする。身体が揺れてる。もう…眠いのに。起きたくないのに。

｢…んぁ、誰？｣
LINEを送ってきた友人だろうか、まぁアイツには合鍵渡してるし、気を利かせて夕飯でも買ってきてくれたのかな。眠たい目を擦って欠伸を漏らした。

｢あ、やっと起きた！LINEしてもらっても返事無かったみたいだしホワイトデーのお返し返してなかったから持ってきた｣

｢……え？｣

目の前に居たのは"弟者"私の家は知っていても合鍵なんて渡してない。でもしっかりと手に握られていて、急いで開いたLINEには"弟者にAちゃんの合鍵渡しといたね～"という訳の分からない報告が通知に溜まっていた。

思考が上手く動かない。弟者はわざわざホワイトデーのお返しを持ってきてくれた。でも弟者には好きな人がいる。きっと私じゃない。＿もちろん口には出せない。有難く差し出された紙袋を受け取った。"中身見て"と言わんばかりに私を見つめる弟者に遠慮がちに開いた。

｢あれ…手作り…？料理するの苦手じゃなかったの？｣
中身は手作りのチョコ。形が歪だからすぐに手作りって事に気がついた。
｢んー。Aにはお世話になったから、手作りでもいいかなって。苦手だけど…兄貴とかに少し手伝ってもらって作ったんだ｣
見てと言った割に照れた様子の弟者に思わず笑みが漏れた。あ、この調子なら友達に戻れるかもしれない。一瞬弟者に好きな子が居ることを忘れた私は気軽にそう思った。

｢……でさ、俺の好きな子の話なんだけど。｣

前言撤回。やっぱり無理そう。
弟者の見たことないほど照れて、耳まで赤くなった顔をみると胸が苦しくて、呼吸がちゃんと出来ない。