【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ31)

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子供扱いしないでよ兄者ページ31

【兄者彼女設定】

少し昔彼は煙草の匂いを纏っていた。初めて会った時もそうで煙草特有の何とも言えない匂いが彼の周りに漂っていた。前の彼氏も煙草を吸っていたけど彼程では無かった気がする。

｢貴方はいつも煙草の匂いがするわね。そんなにいいもの？｣
ツルリとしたジャケットを引っ掻く様に撫でて隣の席に腰を下ろした。煙草を咥えたままの彼は邪険そうに眉をひそめたが煙草を口から外すと私に向かって煙を吹き掛けた。
｢…っ！ちょっと…ごほっ、ごほっ｣
煙たさに咳き込んだ私に愉快そうな笑い声をカラカラと上げると
｢餓鬼に良さは分からねぇよ｣
口角を三日月に吊り上げて少しちびた煙草を再び咥えた。その後は何も言わないのに2人分かりあったように一緒に帰って男女の関係になった。

｢ねぇ、そう言えば知ってる？煙草を相手に吹き掛けるのは"お前を抱きたい"って意味らしいわよ。あの時＿＿＿｣
そこまで喋ると咥えていた煙草を器用に盗られて唇を奪われた。触れるだけのキスだったけど熱はじんわりと身体に伝わってきた。
｢…んっ、もう。野暮ね｣
"返して"と差し出した手は全くの無視。代わりに私が吸ってた煙草を咥えるとふー、と煙をいつかみたいに私に吐いた。
けほけほと咳き込んで染みた目を開けると彼は悪戯っ子の様な表情を浮かべて私を後ろのベッドに押し倒した。
｢さぁな。
よく思い出せないし、Aに触れて思い出させてもらう事にするか…｣
悠長に腕捲りをして知らん顔をした彼。
確信犯だろう。しかし反論する前に唇は再び奪われ喋る間もなく甘い快楽が指の先までひしひしと押し寄せる。
｢煙草…消しといてよ｣
首の後ろに手を絡めた私に短く息を吐くと灰皿に手を伸ばしジュ、と煙草の火を消した。

【END】
おついちさんのネタが。うーん。