【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ18)

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君専用珈琲店兄者ページ18

【兄者元彼女設定】

｢悪い、もうAとは付き合えないわ｣

数日前まで私が淹れた珈琲を飲んで"Aは俺の珈琲淹れ係な"なんて笑いかけてきた貴方はどこへ？
あんなに美味しいって、お前の以外飲めないな、そう言ってくれたのはどこの誰？

私の気持ちとは真反対の星が煌めく夜空に少しムカつきながら私は自販機の珈琲を買って飲んでいた。別れた理由？知らないよ、分かっても知りたくない。
喉を通る冷たい珈琲は妙に甘ったるくて、兄者が飲んだら"クソ甘いな"って眉をひそめるぐらいだった。でもその時の私には丁度良かった。
何が丁度いいかって？いいよ、教えてあげようか？貴方との苦い思い出を流し込むのによ。
この甘い珈琲に乗せて貴方との淡い記憶とおさらばするの。捨てちゃうの、ぽいって。私は甘い方が好きだから、苦い思い出を飲み込むのには相当甘くなくちゃ駄目なの。

そうだ、明日は髪を切りに行こう。兄者が好きだって言ったから伸ばした髪の毛も黒髪も。思いっきりショートにして、昔から憧れてたアッシュにしよう。
新しい靴も買おう、可愛い服も、少し高い鞄だって買おう。後は新作のリップもアイシャドウも、香水だって。そして最後に美味しくて甘いデザートを食べて帰ろう。

いいのよ。いいの。いつか、いつか必ず、絶対に、貴方が地団駄を踏んで悔しがるくらいにいい女になってやるから。

それまで少し待ってて？前にも言ったでしょ？女の子のメイクには時間がかかるって＿＿＿

【END】