【2BRO.】愛の色【SS】 (ページ16)

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青色炭酸兄者ページ16

｢あ、に…じゃ？｣
普段ならそんな事絶対言わない。
初めて見た柔らかい表情と私を求めて微かに震えた声。一瞬私の妄想かと勘違いしそうになった。

｢あっ、うん。いいよ。傍にいてあげるからさ、ほら、お粥食べよ？｣
あんまりにも緩んだ表情だったから、私が触れても何も言わなそうだったから、手を伸ばして頬に触れたくなった。無意識に伸ばしかけた手をぎゅっと強く握った。
｢ん、食べさせて｣
私の横に擦り寄る様に座ると小さく口を開けた。
余りの甘えた行動にスプーンを1度床に落としてしまった。
ドキドキと心臓の心拍数が上がっていく。こんなに甘い兄者なんか見たことなくて、嫌でも兄者が私の彼氏で、だから甘えてくれるって錯覚してしまう。
｢A、水｣
短く言ったその言葉にも甘い空気が含まれる。喋る一々の言葉が私の心臓を馬鹿みたいに跳ねさせる。
はい、と渡した冷たいペットボトルは兄者の手の中に入らないまま床に落ちた。
｢身体ダルイから｣
と言うと私の唇と兄者の唇を交互に触った。要するに"口移し"で飲ませてと云う事なのだろうか。慌てる私に首を傾げて"Aは俺の事嫌いなの？"なんて言うから、口に水を含ませるほか無かった。
すると兄者は唇を私の方に寄越して、こくり、と喉を鳴らした。
離れた2人の唇は水でしっとりと濡れていた。
｢……Aだから、こういう事してんだからな。ずっとAの事が好きで、おっつんにも、弟者にも…とられたくねぇ…｣
ぎゅ、と握られた手は熱を帯びててやけに熱くて、もう頭の中がどうにかなっちゃいそうだった。いや、実際どうにかなってたんだと思う。

｢俺の事…好きになってくれよ…｣
掠れた声でどこか悲しそうに呟く兄者に、不覚にも頷いて"私も好きだった"と涙を流してしまったから。

やっぱり私の恋心は弾けたみたい。
でもそれはいい意味で＿＿＿

【END】