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死ねると思った 兄者 ページ11
【兄者彼女設定】
兄者は果たして私の事が好きなのだろうか。
夕暮れに呟いた言葉はオレンジに染る空に誰にも届かないまま溶けた。
心の中で出した答えは多分、いや、絶対に"No"だと思うってこと。
だって私が"愛してる"と言ったら兄者どんな顔をすると思う？
煩わしそうに眉をしかめる、が正解。
でも、それでも、面倒くさそうに
｢俺もだ｣
鼻歌交じりに掠れた声で＿＿＿
珈琲を飲んで興味なさそうに＿＿＿
ゲームをしながら作業感覚でそう答える。
そんな嫌そうな表情で、そんな面倒くさそうな声で言うのに。私の事が好きじゃないと言いきれるのに。誰に相談したっていい答えは返ってこないのに。毎日兄者を想って涙を流すのに。
そんなつれない兄者と別れたらいいはずなのに、
でも、だって、
｢俺もだ｣
その本当か偽物かも分からない温度のない3文字で兄者から離れることが出来なくて
それがもし酷く優しい嘘だとしても＿＿＿
それがもし酷く冷たい事実だとしても＿＿＿
幸せな自分が虚しかった。
(はじめて、だれかのために)
【END】
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作者名：朔 | 作成日時：2017年2月18日 18時
