【デジモンフロンティア】白百合の騎士

第29話 ページ32

「分かれ道ですね……」


「どっちに行けば良いの?」


右には荒野が広がっていて、左には森がある。


「よし、右だ！」と神原くんは荒野が続く道を指さしたがそれを聞いた織本さんは不満ありげな顔をして言った。


「左よ！」


「どうしてっ！」


「森のターミナルへ行くんでしょう？だったら、森の中にあるに決まってじゃないっ！！」


「そんなの、行ってみなきゃ分かんないだろ！！俺は右へ行く！！」


「何でなのっ！？」


「なんとなく！！」


「適当なこと言わないでよっ！！左！！」


「右！！」


「A、行きましょっ！！」


「あっ はいっ！」


隣にいた織本さんは私の腕を掴んだ。


「ま、待ってよ！」


「女の子だけじゃ危ないって！」


神原くんと友樹くんは右の荒野の道を、織本さんと柴山くんと私は左の森がある道へと歩き進んだ。


それからの事だった。


「拓也と別の道を選んで正解だよ。あいつの言うことなんてあてにならないって！大丈夫！」


神原くん達と別れてからこの調子の柴山くんにうんざりしたのか織本さんが「良いお天気」としかめっ面で遠くを見渡したが柴山くんはそのまま話を続けている。


「泉ちゃんには、俺がついてる！」


なんだろうか……全く話のキャッチボールが出来ていない。

そんな柴山くんを置いて、織本さんは早歩きで行ってしまった。


「あの〜聞いてないですよ」


「まったく〜」


私達の後ろにいたボコモンとネーモンはいつのまにか前にいて、それを聞いた柴山くんは「うるさいっ！」と言い、前にいる織本さんの元へと走っていった。

「待ってくださーい！！」

私も後を追いかけるように織本さんがいる場所まで向かった。

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