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同じ任務の時、後から遅れてきた善逸が、顔を赤らめながら、優しい笑顔で私に渡してくれたたんぽぽ。
あのたんぽぽ、後で押し花にして、栞として使っていた。大切な人から貰った、大切なたんぽぽ。
そんなことを思い出し、私は自然と微笑む。
懐かしいなぁ、そんなこともあったよなぁ。
「……日影ちゃん？」
『ふふ、そうだね。とっても素敵。……あ、あの！このたんぽぽも一緒にしてもらっていいですか？』
「はいはーい！」
.
.
花を購入する帰り際、一緒に歩き、私は藤の花の匂いを嗅ぐ。
るんるんと気分が上がる私を、徹とはじめは目を合わし、微笑んでいた。
家に帰り、私は部屋に戻ると瓶の中にある藤の花と新しく買ってきた藤の花を変える。
隣に小さな瓶に入ったたんぽぽも置いて、私は眺める。
「藤の花には、「優しさ」という花言葉があるんですよ。優しさ、と言えばあなたにぴったりな言葉ですよね」
＿＿それは、私じゃなくて、貴方に似合う言葉だよ。
.
.
夜、窓を開けて、私は月を見上げた。
前世の夜は、忙しくて夜空なんて見上げる余裕があまり無くて、鬼が活動する時間だったから、あまり好きではなかったけれど、こうしてみると、案外綺麗で、惹き込まれる。
誰かが、月に願いを込めると叶う、だとか言っていたのを聞いていた気がする。
流れ星とか、そんなものに願うのは何処か違うと思うけれど、少しでも、少しでも夢を見してくれるように。
もし貴方がこの世にいるのなら、同じ月を見ていることを願って。
……そんな願いも、すぐに散ってしまうけれど。
『……会いたいよ、みんな』
ポツリと月に呟き、目から溢れる涙は頬から首へと流れていった。
.
.
「──うんっ！予算も大丈夫だし、コンセプトもバッチリ！後はお客さんが来てくれるか……だね」
藤の花とたんぽぽを買った日から、しばらく経ち、文化祭も残りわずかとなった日。
クラスの委員長がそう言った。みんな文化祭を楽しみにしているのか、わくわくとした様子だ。
そんな時、隣から私を呼ぶ声が聞こえた。
「なぁA。お前、文化祭当日誰かと回るの？」
そう国見くんに言われ、私はうーん、と言う。
何人かに誘われているけれど、曖昧に答えてるんだよなぁ。
徹とはじめには絶対に一緒に行動するって言われたけど、学年違うし……。まぁ会えないことはないと思うけど。
『まぁ、特には……なんで？』
「ならさ……俺と回らない？」
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にゃは(プロフ) - こんなに泣いた物語は初めてです！！応援しています！！！ (1月8日 5時) (
レス) @page47 id: 375689edf5 (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - 大好きです！！！！更新頑張ってください！ (2021年2月28日 13時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
CAORU(プロフ) - この作品、とても面白いです。なので、続編を読みたいです！オチもあるなら気になります！ (2021年1月18日 21時) (レス) id: c8c13c4b59 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ〜♪(プロフ) - こんにちは、初コメントです♪私は、とても面白かったので、続編ができたら嬉しいです！ (2020年10月12日 7時) (レス) id: f2b00d0a0d (このIDを非表示/違反報告)
ワノ(プロフ) - 嵯峨野 繆謎さん» あ、方言ですか！！「ちごうくて」ですかね？？変換ミスとかかと思ってました笑すみません汗 なるほど、そういう意図があったんですね！でしたら分けずに続けて「○○、○○だったので」とかやれば不自然じゃなくなる、かも…？笑 場所によるかもですが！笑 (2020年8月18日 16時) (レス) id: d173d4245c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モブ | 作成日時：2020年7月4日 1時
