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「特殊なルートって……飛び級みたいな感じですか?」


「飛び級……ではないかな? 通信制の大学だったから、レポートを出すだけで単位取れたんだよね」


「つ……つまり、1年で全単位を取ったってことですか?」


「あはは、まさか。……ちょっとサバ読んで高校生から行ってただけだよ。早く大学卒業したかったしね」


……普通入学する時に年齢確認くらいするよね?
そう思わないこともなかったが、それ以上深くは考えないことにした。


「何もそんなに焦らなくても……何か急ぐ理由でもあったんですか?」


「……だって、早く姉さんと仕事がしたかったから。なのに、いきなり別の職場で働くだなんて言い出すし……ついでに記憶喪失になってるし。

だから、結局のところはあんまり意味なかったかな」


「その節は本当にすみません……そう言えば私って、なんで呪術高専に来たんですか?」


「さぁ、知らないなぁ。……呪術高専なんて、本来は猪瀬家(うち)と何の関わりもない組織だし」


記憶がない……というか入れ替わってしまった以上、もう知ることはできないのだろうか。


「まぁ、姉さんの決めたことなら口出しはしないけどね。
本音を言えば、危ない仕事はしてほしくないけど……僕らの仕事も、決して安全ってわけじゃないから」


「……多分、大丈夫だと思いますよ。術師の方みたいに呪霊と戦ったりはしないので」


それが歯がゆく感じることもある。……けど、私にできるのは、せいぜい事務面でのサポートだけだ。


「……そうなんだ。その呪霊?って、一体何なの?」


「あー……簡単に言うと、化け物です」


「あはは、本当に簡単にまとめたね……
……じゃあ、あの新田って男もその化け物と戦ってるの?」


「そうなりますね。……どうかしました?」


彼は少しの間考え込むような素振りを見せた後、首を横に振った。


「……ううん、なんでもない。
それより姉さん、前髪切ったんだね。似合ってるよ」


「た、確かにこの間、少しだけ切りましたけど……どうしてそんなこと分かるんですか?」


「ふふ、姉さんのことならなんでも分かるよ。
……それより姉さん、また栄養ドリンクばっかり飲んでない? あんまり徹夜したら身体壊しちゃうよ」


……本当に、なんで分かるんだろう……
体感温度が2℃ほど下がったところで、車は目的地である猪瀬家に到着した。

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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーッ!!返信ありがとうございます、! 読了後速攻でフォローさせていただきました……!!供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……!!🙏 (3月10日 18時) (レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます!! 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……!! (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……!ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……!救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……!! (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べるーが | 作成日時:2023年4月19日 22時

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