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「お待たせしてすみません……」


「ううん、全然。僕が早く来すぎちゃっただけだし……それに、姉さんのためならいくらでも待つよ。

……じゃあ、そろそろ行……」


「猪瀬先生ー!!」


声のする方を振り向くと、校舎の方からこちらに向かって全力疾走してくる人影が見えた。


「はぁ、っはぁ……ま、間に合うてよかった……
塩崎さんから、先生が帰省しはるって聞いて」


「はい……また1人にしてしまってすみません。
でも、事が片付いたらすぐ戻ってくるので」


「いえいえ、気にせんといてください。
……あっ、そうや。よかったらこれ、持っといてくれませんか?」


新田くんはそう言って、少し古びたお守りを差し出した。


「お守り……?」


「高専に来る前に買ったんです。……ずっと持ち歩いてるさかい、ちょっと古なってもうてるんですけど」


「えっ……そんな大事なもの、私が持ってていいんですか?」


「もちろん! ……猪瀬先生、変なとこで無茶しはるから心配なんですよね。せやから、無事に帰ってこれるように、って……願掛けみたいなもんやと思ってください」


そう言って照れたように笑いながら頬をかく。
……そんな仕草ひとつひとつにも、彼の人柄の良さが現れているような気がした。


「……ありがとうございます。絶対帰ってきますね」


「はい! ……待ってます」


受け取ったお守りをぎゅっと握りしめながら、後部座席に乗り込んだ。



「……」


「……周、もしかしてまた拗ねてます?」


「別に拗ねてないよ。姉さんが他の男と楽しそうに話してるのが気に食わないだけ」


……周はそう言いつつも、ふてくされた様子で窓の外を眺めている。


「あはは、別にそんなんじゃないですよ。すごく良い子なんで、もしかしたら周とも仲良くなれるかも……」


「絶っ対嫌」


……歳も近いだろうし、仲良くなれると思うんだけどなぁ。歳知らないけど……


「……そう言えば、周と兄さんって歳いくつなんですか?」


「僕は19歳だから、姉さんとはちょうど3歳差だね。
兄さんは今25だったかな?」


「19!? まだ未成年なのに、あんな危険な仕事を?」


「……? うん。心配しなくても、もう大卒資格は取ってあるから大丈夫だよ。……まぁ、ちょっと特殊なルートだけど」


齢19で大学卒業……これだけ特殊な家なんだし、普通とは根本的に仕組みが違うのかもしれない。

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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーッ!!返信ありがとうございます、! 読了後速攻でフォローさせていただきました……!!供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……!!🙏 (3月10日 18時) (レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます!! 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……!! (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……!ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……!救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……!! (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べるーが | 作成日時:2023年4月19日 22時

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