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「なっ……! テメェら、どこから出てきやがっ……」


地下室から出た瞬間、タイミング悪く向かいの部屋から出てきた組員に見つかってしまう。

……やばい、ここで騒がれたら一巻の終わりだ。一般人ならともかく、戦闘慣れした極道の組員相手に、戦闘向きの術式をもたない私たちが勝つ術はない。


「……っ、逃げ……!」


「がっ……!?」


“逃げろ”……そう言おうとした瞬間、目の前の組員が苦しそうな声を出し、その場に倒れ込んだ。……瞬きをする暇もない一瞬の間に、後頭部に思いっきり蹴りを入れたのが見えた。


……新田くんはほんの一瞬、今まで見たこともないような冷たい目を足元の組員に向けたが、その後何事もなかったかのようにパッとこちらを振り向いた。

……その目からは、さっきの冷たさは微塵も感じられなかった。


「……先生、大丈夫ですか?」


「え……に、新田くん……? 今、何を……」


「え? 何って……気絶させただけですよ。……あはは、心配せんでも大丈夫ですよー、殺したわけやないですし」


軽い調子でそう言ってのける彼。普段の彼とのあまりのギャップに、私は思わず言葉を失ってしまった。


「……あー、すみません。びっくりさせちゃいました?」


「……はい、少し。……正直、ここまで動けるとは思っていなくて」


「あはは、まぁ普段から先輩らに鍛えられてるんで。
……いくら戦闘向きの術式やないとはいえ、これくらいはできひんと、守りたいものも守れませんし」


……患者を医者の元へと繋ぐ役割を担う彼は、後方で控える医者や補助監督とは異なり、戦闘の最前線まで駆り出されることも多い。そのため、ある程度の戦闘能力は求められるようだ。


「……たとえ相手が極道やっても、この程度やったらなんとかなります。せやから、あんま心配せんでいいですよ、先生。

……お兄さんのこと助けて、早いとこ戻りましょう」


そう言って、彼は迷うことなく先を歩いていく。……私は、慌ててその背中を追いかけた。




「……! しっ、静かに。……あの部屋、誰かいるみたいです」


咄嗟に手で制止し、音の聞こえる部屋の方へと近付いていく。……襖を軽く開けて中の様子を窺うと、数人の兎崎組の組員たちが床に倒れているのが見えた。


……その部屋の中心に立っている2人の人影と、そのうち1人の方が畳に膝をつく。その姿が、暗い照明に照らされた和室の中でやけにハッキリと見えた。

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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーッ!!返信ありがとうございます、! 読了後速攻でフォローさせていただきました……!!供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……!!🙏 (3月10日 18時) (レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます!! 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……!! (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……!ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……!救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……!! (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べるーが | 作成日時:2023年4月19日 22時

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