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｢……では、私は報告があるので。
新田くん。Aさんのこと、よろしくお願いします｣
それだけ言って、彼女は慌ただしく部屋を出ていった。全面コンクリートの壁と床には、所々血痕のような赤黒いシミがこびり付いている。
｢……なんか、さっきより騒がしいですね｣
新田くんにそう言われ耳を澄ますと、確かに上の階が騒々しい。……まさか、兄さんと周が来てしまったんじゃ……
｢……先生、大丈夫ですか？ なんか顔色悪いですけど……｣
｢…………、実は……｣
さっき菖さんに聞かされた作戦内容を打ち明けようと口を開こうとした瞬間、バンっと乱暴な音をたてて地下室のドアが開いた。
｢誰か入ってくる……！ 先生、こっちへ！｣
新田くんに手を引かれ、部屋の奥の方にあった棺桶に2人で身を潜めた。……狭い空間なので嫌でも身体が密着するが、そんなことを気にしている余裕はなかった。
棺桶の蓋を少し外すと、ちょうど扉の方が覗ける。耳を澄ますと、何か大声で揉めているような声が聞こえてくる。
声の主は、右脇に誰かを抱えて部屋に入ってくる。……揉めているように聞こえた声は、どうやらその抱えられた人が抵抗している声のようだった。
｢……チッ、この蛆虫が……！ 離せっつってんだろ！！｣
｢コイツ、散々ヤキ入れたってのに、まだ暴れてやがる……どうします、アニキ？｣
｢もうちょいヤキ入れてからそこら辺に縛っとけ。……そっちは『兄』の方ほどタフじゃねェ。あの方の毒も効いてるし、放っときゃそのうち事切れる｣
……その括り付けられた人物の顔を見て、思わず声が出そうになるのを必死に堪えた。
｢ゔっ……！ っごほ、ごほっ……｣
その人は鎖で縛り付けられ、2人がかりで殴る蹴るの暴行を加えられている。……先ほどの話にも出た毒の影響もあるのか、血反吐を吐いてもがき苦しんでいるのが隙間から見えた。その人物は……他でもない、私の『弟』だった。
｢……っあ……、あま……っ｣
……思わず彼の名前を叫んでしまいそうになるが、間一髪で新田くんに口を塞がれた。
｢……先生、今は我慢してください。酷なお願いなんは分かってます。けど……今だけは、冷静になってください｣
｢…………っ｣
……目の前で痛めつけられている弟を、ただ見ていることしかできない。その事実に、私は自身の無力さを嫌というほど痛感させられていた。
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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーｯ！！返信ありがとうございます、！ 読了後速攻でフォローさせていただきました……！！供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……！！🙏 (3月10日 18時) (
レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます！！ 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……！！ (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……！ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……！救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……！！ (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年4月19日 22時
