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｢先生、大丈夫ですか！？｣
｢に……に、った、く……｣
｢先生……！ 無理して喋らんといてください。
……苦しかったですよね。もう大丈夫ですから｣
彼は渋谷事変で見せたあの術式を施しながら、そう言って優しく笑いかけた。……呼吸が少しづつ楽になり、手足の震えも治まっていく。
｢はぁ……不法侵入ですよ、これ。
犯罪だって、先生に教わりませんでした？｣
｢……人に毒盛るんも、立派な犯罪やと思いますけど｣
｢あら、言いますね。……そういうところは、流石新田さんの弟くんと言ったところでしょうか｣
……二人の間に、糸を張るかのような緊張感が流れる。男女で若干の体格差があるとはいえ、一般家庭の生まれ、しかもサポート向きの術式の新田くんでは不利だ。
……補助監督として、教師として……彼を、この場から逃がさなければならない。その一心で、声を絞り出す。
｢……新田くん、逃げ｣
｢先生。……ちょっとだけ、目ぇつぶっててもらえます？｣
｢え……｣
｢ほんまにちょっとの間だけでいいんです。
すぐ終わりますから｣
そう言って、彼は慣れた手つきで私の瞼に手をかざし、ゆっくりと目を閉じさせた。……温かい手だ。こんな状況なのに、不思議と安心させられてしまう。
｢……絶対、目ぇ開けへんでくださいね｣
そう念押ししたあと、私から遠ざかっていく足音が聞こえた。……目を開けられないので詳細は分からないが、おそらく塩田さんと対峙しているのだろう。
……今までの緊張状態が解けたせいか、不意に強烈な眠気が襲ってくる。とてもじゃないが、目をつむった状態で耐えられるような代物ではなさそうだ。
……そして、私の意識は……今度こそ、深い闇の中に落ちていったのだった。
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｢……随分先生思いなんですね。まぁ、あの人に執着する気持ちは分からなくもないですが。……けど、まさか反転術式まで使えるとは思いませんでした｣
｢……俺の術式は、傷を悪化させないようにする術式です。反転術式なんかじゃありませんよ｣
ひとまず術式を開示して、チラリと先生に目をやる。……さっきよりは、幾分か表情が和らいだようだった。
……というより、あれってもしかして……
｢……寝てる？｣
｢……ええ、完全に寝てますね。
この状況下で寝れるなんて、逆に尊敬ものですよ｣
……目の前のスーツの人は、そう呆れたように呟いた。
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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーｯ！！返信ありがとうございます、！ 読了後速攻でフォローさせていただきました……！！供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……！！🙏 (3月10日 18時) (
レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます！！ 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……！！ (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……！ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……！救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……！！ (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年4月19日 22時
