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「恨みって……実の姉弟なのに、ですか?」


「ま、普通の感覚ならそうなりますよね。
……“女だから”って理由だけで、今までゴミくずみたいな扱いを受けてきたんなら、話は変わってきますけど」


……男尊女卑がはびこる世界。
呪術の本編の方で言うと、禪院家みたいなものだろうか。


「……まぁけど、殺人未遂レベルのもしょっちゅうだったみたいですし、100%同情はできませんね」


「殺人、未遂……」


自身の価値観と異なりすぎる世界に目眩がした。
……これがこの世界の常識……なのだろうか。


「……要するに、女だからって油断するなってことです。
のこのこ着いてって牢屋ん中ぶち込まれた、なんてことになったら笑えませんからね」


「わ……分かりました、気をつけます。
ちなみに、その人たちの特徴とかはないんですか?」


「……残念ながら、見た目についてはほとんど情報がないんです。完全に隔離されてるか、組長の意向で他ん家に嫁いじゃってるみたいなんで……

唯一分かってんのは、全員植物の名前が付いてるってことですね。『菖』とか……あと、『椿』みたいな感じで」


名前、か……正直いくらでも偽名を使えるし、あまりアテにはならなさそうだ。……とりあえず、当分の間は女の人にも注意した方がよさそうだな。


「ありがとうございます、榊木さん。もしかして、このためにお昼ご飯誘ってくれたんですか?」


「は? 俺がいつあんたを誘ったんです? あれはただの上からの命令で……」


「嬉しかったです。他人ととる昼食は久しぶりだったので」


「話聞いてます?
はぁ……もう面倒だし、それでいいっすよ」


行きましょう、と言って、榊木さんはスタスタと先を歩いていってしまった。……私も急いで後を追いかけようとした、そのときだった。




「……Aさん」


聞き覚えのある声に振り向こうとした瞬間……
私の意識は、暗い海の底へと落ちていった。

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ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーッ!!返信ありがとうございます、! 読了後速攻でフォローさせていただきました……!!供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……!!🙏 (3月10日 18時) (レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます!! 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……!! (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……!ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……!救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……!! (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べるーが | 作成日時:2023年4月19日 22時

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