13 ページ15
「先に手を出してきたのはあっちだ、今さら詫びてきたってもう手遅れ。……僕らの目的はただ一つ、兎の殲滅だ」
組員たちから、待ってましたとでも言わんばかりに雄叫びが上がる。……こういうのをカリスマ性、とでも言うのだろうか。
「……それで? どんな作戦でいくんだ?」
「基本的にはこっちから乗り込むつもり。けど、あっちから仕掛けてこないとも限らないからなぁ……
とりあえず、パターンAから順に説明していくね」
「……周、ちなみに今回の作戦数は?」
「大雑把に分けて16パターンくらいかな。
安心して、兄さんのために紙ベースも持ってきたから」
基本的にはデータベース化されている資料だが、機械音痴な俺を気づかってか、こういうときはいつも紙ベースのものを用意してくれる。だが……
「……できることなら、俺の地頭の方も気づかってほしかったけどな……」
「……? 兄さん、どうかした?」
「……なんでもない。始めてくれ」
……細部まで練られた完璧な作戦。しかもあっちの出方に合わせて16パターン分だ。これを毎回やってくるのが、
俺の
「……流石だな、周。今回の作戦もよく練られてたし、資料も前のより分かりやすかった」
「あはは、ありがとう。けど、資料を作ったのは僕じゃないよ」
「は? じゃあ誰が……」
……その先を言いかける前に、何となく察しがついた。
周は、そんな俺を見透かしたかのようにニヤついている。
「……そうか、あいつが……
ま、お前にしてはレイアウトがぽわぽわし過ぎっつーか……お前のは情報量が多めで、無駄のない感じだったしな」
「あはは、確かにね。……流石だなぁ、姉さん。戻ってきたばっかりなのに、もう即戦力になってる」
「……そうだな」
「……! ふふ、兄さんが素直に同意するなんて珍しい。
姉さんの前でもそんな風に言ってあげたらいいのに」
「馬鹿言え、それができんならとっくにやってるっつの。
……俺とお前じゃ、根本的な部分から違ぇんだよ」
……周は俺の言葉に同意して、どこか諦めをにじませたような表情で微笑んだ。
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねのあ(プロフ) - べるーがさん» あーッ!!返信ありがとうございます、! 読了後速攻でフォローさせていただきました……!!供給が少ないオタクとして共に更新していきましょう……!!🙏 (3月10日 18時) (レス) id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ねのあさん» わーーーありがとうございます!! 私も初コメきてテンション爆上がりしてます⤴⤴ 更新頑張るのでこれからも応援していただけると嬉しいです……!! (3月10日 18時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
ねのあ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……!ずっと新田姉弟の話を探していたんですが、ようやく見つけられました……!救われました、QOLが爆上がりしてます……これから応援させていただきます……!! (3月9日 23時) (レス) @page37 id: 919a6d5cdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:べるーが | 作成日時:2023年4月19日 22時