ピッコロさんとの日常 ページ24
｢……はぁ…………｣
｢どうしたの、ため息なんてついて。悩みごと？｣
｢……Aさんになら、話してもいいかな……
兄さまには言わないって約束してくれますか？｣
不思議に思いつつも彼女の言葉に頷くと、相変わらずため息をつきつつも話し始めた。
｢……私、自分の容姿について悩んでて｣
｢えっ！？ そ、そうなんだ……
ピッコロくらい可愛くても、悩んだりするんだね｣
｢え？ ……あぁ、そういうことではなくて。
自分が人並みより可愛いってことは自覚してますから｣
……これだけ可愛ければ、自分の可愛さについては多かれ少なかれ自覚済みらしい。
｢……私が悩んでいるのは、髪の色についてなんです。
兄さまたちはみんな銀髪とか金髪なのに、私だけ黒髪だから……いつも思うんです。あんまり似てないなって｣
ほとんどが金属製で作られるフルート属の楽器の中で、唯一ピッコロは木製で作られることが多い。そのきらびやかな音色ゆえに、金属製では目立ちすぎてしまうためだ。
｢……私って、本当に兄さまたちの妹なんでしょうか。
もしかしたら赤の他人なんじゃないか、って……｣
……彼女は自分の可愛さを自覚している割には、意外に卑屈だ。まぁ、そこが可愛いところなんだけど。
｢……ピッコロってさ、昔のフルートさんってどんなだったか知ってる？｣
｢いえ、全く。
……兄さま、昔の話はあまりしたがらないので｣
｢あはは、だよね。
……昔のフルートさんってさ、銀髪じゃなかったんだよ。ピッコロと同じ黒髪……いや、茶髪だったかな｣
｢えっ……そうなんですか？｣
……彼女は元々大きな目をさらに大きく見開かせた。
｢そうそう。昔はフルートって言えばリコーダーのことを指してたからね。……そのせいで、オーケストラにも入れてもらえてなかったみたいだよ。
けど、今ではオケからジャズまで大活躍だし、そういう意味では努力の人だよね、あの人も。……いや、フルートさんは人じゃなくて楽器だけどさ｣
｢そう、なんですね。……そんな話、初めて聞きました｣
｢だろうね。フルートさんにとって、昔の自分は黒歴史みたいなものだろうし……けどフルートさんだって、最初からあんなだったわけじゃないんだよ｣
信じられない、と言った目でこちらを見つめる彼女。
……そのとき、背後から殺気のようなものを感じた。
オススメの楽器さん
バスクラリネット
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もも - べるーがさん» なんか泣ける… (4月19日 0時) (
レス) @page44 id: 8826ef9895 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» すみませんお待たせしました！！ いつも以上に作者の趣味全開で書いてしまって本当に申し訳ないんですが、よければお納めください……🙇🏻♀️ (4月17日 1時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» そうです！！ (4月11日 0時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
べるーが(プロフ) - ももさん» リクエストありがとうございます〜！！ 一応確認したいんですけど、弦楽器のコントラバスで合ってますか……？？ (4月11日 0時) (レス) id: a87c674b3c (このIDを非表示/違反報告)
もも - べるーがさん» リクエストでコントラバでお願いします！！！ (4月9日 15時) (レス) id: 2bfbe6c963 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べるーが | 作成日時：2023年3月1日 23時
