彼岸花

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▷緑side

朝目覚めると、見慣れない天井。

それもそのはず、今日はしっかりと覚えている昨日の出来事…。


あの後俺は初めて男と寝た。
初めは混乱したけど、やすの言う通り男も女もそんな変わらへん。掘る側は。

俺はやっぱりやすのことが好きやったみたいで、普通に興奮したしかわいいとか、キスしたいとかも思った。


そして目覚めた今も、横でまだ寝ているやすの寝顔がかわいくて仕方ない。



『…ほんま…女みたい』


体つきも、肩幅はでかいけどかなり細い。ちょっと心配になるくらい。明るい髪とそこからちらっと見えるピアス。
あまりにも綺麗で思わずスマホで写真を撮る。そのシャッター音が結構大きくて、そのせいでやすも目覚めてもたみたい。


安「…ぁ、おはよぉ」

『おはよ』

安「帰らんくても大丈夫？」


今日は土曜日やからゆっくりできる。できるならまだやすと居たい。


『やす、キスしたい』

安「そんなん…いちいち言わんでもええし//」

『でもやすって、言葉に出される方が好きやろ？』

安「そんなんちゃうし」

『…キスしていい？』

安「だからっ// 勝手にすればええやんっ//」


やすの許可を得たので耳に触れるだけのキスをする。すると、口にしてくれると思ってたやすはまたぷんすか怒り出した。


安「もぉーっ//！」

『なに？口にするとはゆってへんでな』

安「いじわる」

『ははっごめんごめん』


次は口に…何回も何回も優しく触れて、頭を引き寄せ舌を絡める。


『好き…』

安「んふ…僕も」


俺は初めて男に恋をした。

.


やすはシャワー浴びてくるーって言ってお風呂へ。俺はベッドでスマホをいじりながらテレビをつける。朝やからニュースしかしてへんな。

スマホゲームに集中していると、テレビからこの辺の街の事件のニュースが流れた。

俺が越してきてから、この街でちょくちょく行方不明事件が起きとる。死体も見つかってないし犯人も見つかってないらしい。丸に聞くと、俺が越してくる前からたまにあったらしい。


するとやすが部屋に戻ってきた。


『あ、見て。これってこの辺やんな』

安「ほんまやね。ここらへん、危ない街やからね」

『前も言ってたけどこのことなん？』

安「そ。数年前から行方不明事件多いんよこの辺」

『へーぇ』

安「たっちょんも気をつけなあかんよ？仕事帰りとか、あんま遅い時間は出歩いたらあかんで？」

『心配してくれとん？』

安『当たり前やん//』



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