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隷属は幾らでも代わりがあるし、死んだところで誰も悲しまない。

顔も覚えてないから古参も新顔も分からない。


ただ、最近は減っている一方だと感じている。
それも一番労力になる若い奴らばかり。



『ちょっと気になる事があんだけどさ』


眠りかけてた中、突然壁からにゅんと生えてきた少女によって、声を上げる間もなく転がった。


「〜〜ッ!」

『…何してんの?』

「誰のせいだ誰の…っ!」


ヒラリとワンピースの裾を舞わせた少女が「話戻すよ」と言い、続ける。


『人そのものより中身の方が高いの?』

「…は?」

『や、なんか最近ここの人の数減ってるじゃん?若い人ばかり
なんでかなぁって思って、連れて行かれる人について行ったんだよね』


…そういや確かに少し前、姿を見なかった時間があったな

俺に飽きたのかって少し……何も思ってない。思ってないから



「…それで、どうだったんだ?」


嫌な予感がした。

漠然としたものだったが、ぞわぞわと蛇が背を這い上がってくるような感覚に襲われた。



少女の話によるとこうだ。



首に枷をつけられ、それから伸びる鎖で引っ張られる形で連れて行かれた男は、馬車の荷台に乗せられた。


着いた先で一人だけ降ろされ、妙なものばかりが置いてある部屋の寝台のようなものものに寝かされてしまう。


手足が拘束されて逃げられない中、また別の男がやって来て側にあった何かを手に取ると、そのまま拘束された男の腹を裂いた。


そしてその裂いた線の中へ手を突っ込み、ぶよぶよしたものをいくつか取り出して液体の入った瓶へ入れどこかへ持ち去った。





『んで、それをいかにも高貴そうなデブッチョが大量の金とそれを交換していたって感じ』



何と言葉を発していいか分からなかった。

なぜ嫌な予感に限って当たるのか



「お前…それ子供に聞かせる内容じゃねぇぞ……見ていいモンでもねぇ…」

『それ、もう見た奴に言っちゃう?』



困ったように笑う少女の隣で、ぐるりと辺りを見回す。

萎れた花を頭につけていた子も、同い年も、ハリのある肌も

気がつけば「若い」に分類出来そうな奴は、俺しかいなかった。



少女の、質問の通りなのだ。



逃げなければ死ぬ。



その文字が過った時、地上へ通ずる蓋が開いてビクリと肩を揺らした。

まだ朝には遠いはずだ。


入ってきた男はキョロキョロと辺りを見回し、そして俺の前に立った。





「来い」



ただ、それだけ。


それだけの処刑宣告だった。

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凛香奈 - 続編楽しみにしてます! (2021年1月22日 19時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - 最高。絵上手すぎです!面白すぎてハゲそう(真顔。更新楽しみにしてます! (2020年12月19日 13時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
トエル・タウ - ノーマンと夢主ちゃんの関係、ぼたぼた涙が出てきました…。どうか幸せになってくれ…。 (2020年7月24日 14時) (レス) id: fc7aaf8032 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 17時) (レス) id: 0aa8d61485 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごーーく面白いです!!約ネバ好きのレイ推しなのですっごく嬉しいです!Rain (2020年6月16日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レレ | 作成日時:2019年8月29日 16時

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