番外編 君に教えてあげる ページ37
天使も悪魔も存在する世界パロ
___貴方は自分の立場を理解していますか
もちろん
___仕事を終えるまでかえる事を禁止します
何それマッチ売り少女?
つまり居場所がなくなったというわけね
普通なら慌てる状況
けど私は
『一生遊べるじゃないか!!!!!』
「追放されてんだよ分かれよ」
『つまりもうあの高飛車とあわなくて済む!?』
「ポジティブか」
コソコソと話せば、"背中から翼を生やした"少女はケラケラ笑った。
天使
というものがこの世には存在する。
見える人と見えない人がいるようだが、俺は前者だった。
まぁ見るのはコイツで2人目となるわけだが…
「………仕事の邪魔だ。そもそも俺は天使なんか信じてない」
『じゃあ私の存在はどう説明する?ほら見てこの純白の翼!まるで私の心のよう!』
「言ってろ」
俺が荷物を持って少女の横を通り過ぎる。
俺が信じていないのは存在ではない。
昔、親がいない俺は祖母と暮らしていた。
しかしある日村の教会で天使が召喚され、そいつは祖母の命を狩って行ったのだ。
最後は天使は灰となって天界へ送還されたようだが…そんなわけで、俺は天使に祖母を奪われて天涯孤独となった。
つまり天使は俺にとって恨む対象なのである。
『…いや、それ天使じゃなくて悪魔だよ?』
まるで俺の心を見透かしたような言葉に目を見開いた。
思わず歩く足を止める。
「…………は?」
『そいつ灰になって消えたんでしょ?それは悪魔の特徴で天使はまた別なんだよね』
「………」
あっけらかんと言われたが、堂々と俺の心を読んだと言っていることに何かツッコんだ方が良いのだろうか。
(……悪魔?)
思わず反復したが、その言葉は何故かストンと落ちてきた。
チラリと隣を盗み見ても少女が嘘をついているような様子はない。
「…じゃあ、悪魔だってんなら狩られた祖母の命はどうなったんだよ」
ただ祖母が安らかに眠ってくれているならそれでいい。
ただ悪魔に拐われると天に昇れないと誰かが言っていた気がする。
(まぁこいつが天使っていうなら嘘でも天にいるって…)
『いや知らん』
「……」
『私の仕事外だし、調べたら分かるけど面倒』
「……面倒?お前本当に天使か?」
『ほら見てこの純白の翼まるで』
「2度も言わせねぇよ」
先程会ったばかりなのにトントンと会話が弾む。
妙な気持ちになりながら、俺は重い足を引きずって町中を歩いた。
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凛香奈 - 続編楽しみにしてます! (2021年1月22日 19時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - 最高。絵上手すぎです!面白すぎてハゲそう(真顔。更新楽しみにしてます! (2020年12月19日 13時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
トエル・タウ - ノーマンと夢主ちゃんの関係、ぼたぼた涙が出てきました…。どうか幸せになってくれ…。 (2020年7月24日 14時) (レス) id: fc7aaf8032 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 17時) (レス) id: 0aa8d61485 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごーーく面白いです!!約ネバ好きのレイ推しなのですっごく嬉しいです!Rain (2020年6月16日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レレ | 作成日時:2019年8月29日 16時