109話 ページ25
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かくれんぼはみんなが好きな遊び
けれど何故か鬼になった子は見つけてくれなくて
『みーつっけた！』
嬉しそうに笑って手を差し伸べて、
そうして毎回降参した鬼と捕まったみんなの輪の中へ戻してくれる。
きっと誰にとっても繊細な事。
でも僕は、その瞬間が一番好きだったよ。
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(だから今度は、僕の番だ)
『の、のーまん…？』
Aは気付いていない。
自分では強く握りしめているつもりなのだろうが、その手には全く力が入っていない。
赤子同然で、その気になれば直ぐに解ける。
「A、ありがとう。必死になってくれて」
ギュッと抱きしめた側から体温が伝わって、それだけで胸の内まで温かくなる。
それはきっとある種の才能だと思う。
だからこそ、この温もりを消してはいけない。
隠し持っていたハンカチを彼女の鼻に当てがった。
『な…に……』
(ああ、馬鹿だなぁ)
階段から突き落とした人を、そんなに信用しちゃ駄目なのに
警戒心の無さは、相手が家族だからかそれともこの子の
睡眠薬を吸い込んだAは、直ぐにくったりと体重を預けてきた。
「…まさか脳震盪を起こさせるなんて……」
「Aの最大の魅力は目と脳だもの。エマみたいに体の怪我じゃ価値は下がらないと予想したんだ」
「ご名答ね」
けれど脳震盪の疑いがあるだけで良かったのに、本当になるとは少し予想外だった。
それから、眠っている間にもママによって睡眠薬を嗅がされていたにも変わらず意識を覚醒させ、あまつさえ体を動かしたことも。
「どうしてリスクを冒してまで僕に睡眠薬を？」
「貴方の手で決めて欲しかったのよ。逃げられたら困るもの」
「僕が貴方に使う可能性があったのに？」
「その子を守りながら私に勝てるのなら、考えたわね」
ノーマンからハンカチを回収し、ママは「直ぐに支度してね」と言い残して部屋から出て行った。
Aをベッドに横たえさせ、そっと布団をかけてやる。
「……今までありがとうね」
寝ているAには聞こえやしないけど。
ギュッと手を握った。
当然のように握ってくれるこの手が嬉しくて、そして好きだった。
「今度は、僕じゃなくてみんなを引っ張ってあげて」
片膝をついて、そっと手の甲にキスを送る。
「さようなら。今度は僕が騎士になってみせるよ」
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凛香奈 - 続編楽しみにしてます！ (2021年1月22日 19時) (
レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - 最高。絵上手すぎです！面白すぎてハゲそう(真顔。更新楽しみにしてます！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
トエル・タウ - ノーマンと夢主ちゃんの関係、ぼたぼた涙が出てきました…。どうか幸せになってくれ…。 (2020年7月24日 14時) (レス) id: fc7aaf8032 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2020年6月29日 17時) (レス) id: 0aa8d61485 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごーーく面白いです！！約ネバ好きのレイ推しなのですっごく嬉しいです！Rain (2020年6月16日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レレ | 作成日時：2019年8月29日 16時
