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103話 ページ19

正直ビックリした

一体いつからって思ったし、レイが本の…フィクションの中みたいなセリフを言うなんて思いもしなかった


困惑したし、頭も真っ白になった

後から鼻先にキスされたんだなって遅れて理解した時は本気なんだってやっと分かった


不思議となんにも嫌悪だとか「どうしよう…」とかは一切感じなかったけれど




今朝、顔を見たらドキドキした

顔が熱くなって、凄くバクバクってうるさかった


きっと、全国の恋する女子なら一度はそんな経験をしてるんだと思う


でも昨日の今日だよ?
意識するに決まってるじゃん




…ちゃんと応えないといけないととは思う

分かってるよ



分かってるけど、自分の気持ちが断定できてないんだよこっちは




「……その状態で、本当にいっちゃうの?」

『……』

「お預けは出来ないんだよ、君は。レイに何も言わないまま、Aは行くの?」




今日中に答えを出せる気がしない。

否、例え私が本当にレイと同じ気持ちだとしても、未来(さき)を考えれば「ありがとう」だけしか言えないんだけどさ



(…どちらにしろ、小説みたいにハッピーエンドはない)





恋の話はこれでおしまい


出て行くまでには一言でも言うつもりだから、それで許してほしい









『私の引き出し』




「…?」



『戻ったら私の引き出しを開けて。そこに…


ミネルヴァさんのペンがある』




「!…ミネルヴァの?」





ノーマンは驚いたみたいに目を丸くしたので、私は静かに頷く。






きっと入れたのはシスターだと思う



最後の最後であの人は味方になってくれた。

……というよりかは、多分。やられっぱなしは嫌だっていう執念だと思うけど





けれどきっと、あれは外で必要な物だ





死ぬ人(わたし)には関係ない物







私がそれを今言った意味を察したらしい。
ノーマンは眉を歪ませた。





けれど私の心はずっと仰いでいる








『答えはもう出てる』







真っ直ぐ前を見て。








『私は逃げないよ』










「……どうして?」


ノーマンの声が寂しそうだった。

どうしてって、そんなの賢いノーマンが分からないわけがないのに。



私は何も言わずにニコッとだけ笑っておいた。




『コレは要らない。みんなで使って』



彼の手にレイから貰った装置を渡す。

ノーマンはそれをじっと見た後、無言でポケットにしまった。

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凛香奈 - 続編楽しみにしてます! (2021年1月22日 19時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - 最高。絵上手すぎです!面白すぎてハゲそう(真顔。更新楽しみにしてます! (2020年12月19日 13時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
トエル・タウ - ノーマンと夢主ちゃんの関係、ぼたぼた涙が出てきました…。どうか幸せになってくれ…。 (2020年7月24日 14時) (レス) id: fc7aaf8032 (このIDを非表示/違反報告)
ピーナッツ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年6月29日 17時) (レス) id: 0aa8d61485 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - すっごーーく面白いです!!約ネバ好きのレイ推しなのですっごく嬉しいです!Rain (2020年6月16日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:レレ | 作成日時:2019年8月29日 16時

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